「次に登場するXenClientはMac環境に対応」--Citrix幹部のPratt氏語る

山下竜大

2010-05-26 09:00

 Citrix Systemsが5月12日〜14日の3日間、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催した「Citrix Synergy 2010」(Synergy)カンファレンスでは、仮想化とネットワーキング、クラウドコンピューティングを実現するCitrixの最新戦略が発表された。中でも注目を集めたのがクライアントサイドの新しい仮想化ソリューションである「Citrix XenClient」の発表だ。

 Intelとの共同作業で開発されたXenClientは、企業システムで使用されるノートPCやデスクトップPC上に構築される仮想デスクトップの集中管理を実現すると共に、Synchronizer技術により、ネットワークにつながっていない状況でも仮想デスクトップ環境を利用することができる機能が提供されている。

 Synergyの会場で、XenClientに関する取り組みやIntelとの共同開発、今後の展開などについて、Citrixのデータセンター&クラウド事業部 製品マーケティング担当バイスプレジデントであるIan Pratt氏に聞いた。

XenClientをIntelと共同開発したわけ

Ian Pratt氏 Ian Pratt氏

 Xenの創始者であり、2007年のCitrixによるXenSourceの買収でCitrixのメンバーとなったPratt氏は、XenClientをIntelとの共同作業で開発した理由を次のように語る。

 「XenClientは、Intel vProアーキテクチャを統合することで、高い性能とセキュリティを提供できる設計になっている。Intel vProアーキテクチャを採用したのは、このアーキテクチャがXenClientに必要な機能を搭載していたからだ。またXenClientの最大のターゲットは、企業向けノートPCであり、この分野ではIntelアーキテクチャが大きなシェアを占めていることも理由のひとつだ」

 Pratt氏は、「しばらくはHPやDellと協力することで、XenClientの機能を両社のノートPCに最適化していくことになる。その後、他の会社のノートPCにも展開していく計画だ」と話す。

 具体的には、「次に登場するXenClientは、Mac環境に対応したものになるだろう」とPratt氏。Mac環境は、コンシューマ製品との見方もあるが、iPhoneが企業ユーザーに多く利用されていることもあり、Mac環境に対応することで、さらに大きな市場が期待できる。同氏は、「開発者の多くがMac環境を使っていることも開発のプライオリティが高い理由だ」と話している。

高いセキュリティと管理性をモバイルワーカーに提供

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

  5. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]