NECは、6月9日から千葉県の幕張メッセで開催された「Interrop Tokyo 2010」で、Android 2.1を搭載したクラウドコミュニケータ「LifeTouch」を参考展示した。
同社では、顧客サービスを提供する企業などを通じたBtoBtoC型のビジネスモデルによってLifeTouchを販売していく考えで、量販店などを通じた個人向けの販売は行わない。
NEC社長の遠藤信博氏は、2010年度の経営方針説明のなかで、パーソナルソリューション事業において、「オープンOSを搭載した新端末を下期に発売する」計画を明らかにしており、これがその製品ということになる。同社パーソナルソリューション事業の2010年度の営業利益は減益計画としているが、その理由として、新端末の開発費用の負担をあげており、LifeTouchに戦略的に投資していく姿勢を示している。
同社では、「電子書籍や新聞サービス、家庭内の消費エネルギーの管理やホームセキュリティ管理、遠隔地からのライフログや見守りといった利用、遠距離の両親に孫の写真を送信するといったネットフォトフレーム、電子ショップや通販カタログといった用途を想定している。企業が顧客向けサービスを行う際の端末として提供するもので、NECが直接販売を行うのではなく、企業を通じた展開を行うことになる。エンドユーザーに対して、端末を販売するか、貸与するか、または無償で配布してサービスで課金するかといった選択については、企業ごとに異なってくるだろう」としている。
NECでは、端末を採用する企業に対して、クラウドサービスやビッグローブなどの同社のサービスプラットフォームと連動した垂直統合型のトータルソリューション提案を進めることになる。なお、LifeTouchの端末価格については明らかにしていない。現在、数社と商談を開始しており、早ければ10月以降には、LifeTouchを利用したサービスが、第三者の企業から提供される可能性が高い。