日本IBM、BPMNに準拠し技術部門とビジネス部門の双方で使えるBPMソフト発売

大川淳

2010-06-18 17:42

 日本IBMは6月18日、ビジネスプロセス管理(BPM)ソフト「IBM WebSphere Lombardi Edition V7.1」(以下、WebSphere Lombardi Edition)を発表した。発売は6月19日。同製品は、ITの専門知識を持たない担当者でも、ビジネスのパフォーマンス監視や、業務プロセス図の作成、シミュレーションなどができるもの。IBMが2009年12月に買収を発表した米Lombardi Softwareの製品で、日本では初めての提供となる。

 WebSphere Lombardi Editionでは、個人やチームのパフォーマンス、サービスレベルなど、ビジネスプロセスの実行状況を可視化するテンプレートである、標準スコアボードを用いることで、迅速に業務プロセスのパフォーマンスをグラフやレポートにして表示できる。プロセスの実行状況をリアルタイムで把握することが可能だ。さらに、グラフのドリルダウンにより、その背後にある詳細情報が表示される。標準スコアボードは40種類以上提供されており、業務ごとにスコアボードを作成する必要はない。

 また、業務プロセスモデリングの業界標準表記法であるBPMN(Business Process Modeling Notation)に対応し、IT部門の担当者だけでなく、ビジネス担当者にもわかりやすい表記で業務プロセスを設計できる。作成した業務プロセス図は、「実行時間」や「待ち時間」といったKPI (重要業績評価指標)を設定すれば、期待される動作、目標を達成できるかをシミュレーションし、その結果に基づいて、業務プロセスの再設計、最適化を行える。

 業務プロセスの設計、開発、実行など、すべての成果物は、集中リポジトリで一元管理する共有モデルアーキテクチャを採用しており「BPMを推進するビジネス部門とIT部門が共同で誤解なく作業を進めることが可能」(同社)としている。単一の設計環境を用意していることも特徴のひとつだ。ビジネスプロセスのモデル化、シミュレーション、実行、実装といったBPM環境を構築する場合、従来はビジネス担当者と開発担当者がそれぞれに別のソフトを購入する必要があったが、この製品では、1つのソフトで両方の機能を提供しており、プロセス設計とシステム実装を進める上で、ビジネス部門とIT部門が密に連携できるという。

 新製品の使用料金(いずれも税別)は、IBM WebSphere Lombardi Edition-Server(実行サーバ)が786万5000円 (100PVU単位の場合)。IBM WebSphere Lombardi Edition-Participant (実行サーバ)が13万5900円 (許可ユーザー単位)。IBM WebSphere Lombardi Edition-Author (開発環境)が、71万5000円 (許可ユーザー単位)。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  3. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  4. セキュリティ

    「どこから手を付ければよいかわからない」が約半数--セキュリティ運用の自動化導入に向けた実践ガイド

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]