IDC Japanは6月22日、2009年の国内構造化データ管理ソフトウェア市場規模実績と2014年までの市場規模予測を発表した。IDCでは、2009年の国内構造化データ管理ソフトウェア市場は2061億円、前年比成長率マイナス2.3%となったとしている。しかし、2010年には経済の減速感が弱まり、前年比成長率はプラス3.8%、2011年以降は経済環境の改善と共に回復し、2009〜2014年の年間平均成長率(CAGR)は3.9%、2014年には2498億円に達すると予測している。
2009年の国内構造化データ管理ソフトウェア市場を機能別にみると、市場全体の8割近くを占めるリレーショナルデータベース管理システム市場は1640億円で、前年比1.8%減のマイナス成長となった。ノンリレーショナルデータベース管理システム市場は、前年比2.8%減で208億円、データベース開発および管理ソフトウェア市場も前年比17.6%減で81億円となった。唯一、プラス成長となったデータ統合およびアクセスソフトウェア市場は、前年比3.7%増の133億円。これについては、システム統合化およびデータベース統合化への流れが加速したことで需要が高まったためとIDCでは分析している。
一方、2010年は経済の減速感が弱まり、IT投資抑制も軟化して、それぞれマイナスからプラス成長に転じるとIDCではみている。リレーショナルデータベース管理システム市場は前年比3.9%増、ノンリレーショナルデータベース管理システム市場は前年比2.8%増、データベース開発および管理ツール市場は前年比1.9%増、データ統合およびアクセスソフトウェア市場は前年比4.8%増との予測だ。
構造化データ管理ソフトウェアは、64ビットアドレッシングやマルチコアプロセッサ、グリッドコンピューティングといった技術革新によって利用形態が多様化している。さらに、データベース管理システム市場は、データベースの大容量化と処理の高速化が進んでおり、ラージメモリモデルで設計されたインメモリデータベースやノンスキマチックデータベースといったデータベース管理システムも市場に投入されている。特に、ラージメモリモデルで設計されたデータベース管理システムについては、大容量化したデータベースの高速処理を補完するため、今後さらにニーズが高まるとIDCでは予測している。
IDC Japan、ソフトウェア&セキュリティリサーチマネージャーの登坂恒夫氏は、「ベンダーは製品の導入および展開において、既存の製品ポートフォリオで単に提供するのではなく、異なったデータベース技術をワークロードに特化させるなど、データベース技術の特性を生かした多角的なポートフォリオでソリューションを提供するべき」とコメントしている。