アイ・ティ・アール(ITR)は6月23日、国内メール誤送信防止市場の調査結果を発表した。今回の調査では、同市場を含む5つの市場を対象に国内41社のベンダー製品を調査した。
ITRによれば、国内メール誤送信防止市場の2009年度の出荷金額は、3億5000万円と市場規模自体はまだ小さいものの、前年比20.7%増と大きな伸びを示しているという。同市場への注目度は高まっており、2010年度は同約49%増とさらに大きく拡大するとITRは予測している。
2009年度の製品別では、国内メール誤送信防止市場の草分け的存在であるNTTソフトウェアの「CipherCraft/Mail」のシェアが48.6%と、他を大きく離しトップに位置した。一方で、ポピュラーソフトや富士通ソーシアルサイエンスラボラトリなど参入ベンダーが増えており、2010年度以降、シェア争いは激化しつつあるとITRではみている。
ITRのシニア・アナリストである甲元宏明氏は、「メールの誤送信は、いつでも発生しうる問題だ。メールアドレスを一字打ち間違えただけで全く異なる企業や組織にメールが届く可能性もあり、この問題は長らくメールのセキュリティ上の課題とされてきた。その解決に向けて登場したメール誤送信防止製品は、まだ認知度が低いものの、今後市場の拡大が期待される分野だといえる。ただし、これらの製品も、Google Gmailのようなセキュリティ機能を包含したクラウドベースの電子メールサービスと常に比較されていくことになるだろう」とコメントしている。
※ 出荷金額はベンダー出荷のライセンス売上のみを対象とし、3月期ベースで換算