日立製作所は、エントリーブレードサーバ「HA8000-bd/BD10」を製品化し、7月7日から販売を開始する。サーバブレードを42ユニットラック1台に最大320台を集約可能で、主としてデータセンターおよびコンテンツ配信事業者からの需要を見込んでいる。
「HA8000-bd/BD10」(以下、BD10)は、1ラックあたり最大320台という高密度での集積が可能。1台あたり約1kgとなる軽量設計で、冷却効率も向上させているため、データセンターでのサーバ設置スペースを削減できるという。同社では「コンテンツ配信など大量データの入出力処理、負荷分散処理が必要な環境において、迅速な業務処理が実現する」としている。
BD10を格納する「ベースユニット」では、BD10の稼働状況に応じて電源の稼働台数や冷却ファンの回転数を制御することが可能。また、米国EPRI(The Electric Power Research Institute)が作成した「80 PLUS プログラム」に基づき、電源効率が80%以上の基準を満たすと認定された製品に与えられる認証「80 PLUS GOLD認証」を取得した高効率な電源を採用しており、消費電力を最小限に抑え、システム全体の省電力化に貢献できるという。
複数の電源やファンを搭載し冗長化していることも特徴で、電源やファンに故障が発生した場合でも継続的に稼働しシステムダウンを防げるという。また、電源やファンの稼働状況を常時監視するコントロールボックスを搭載、障害発生を迅速に検知できる。さらに、機能別に部品をモジュール化して搭載するため、システムを停止することなく、障害部位を容易に交換できるという。同社は「これらにより、システムダウンに伴う機会損失を最小化する」としている。
また、同社は複数のBD10の稼働状況や障害発生を一元的に監視するシステム管理ソフト「Hitachi bd Link /SV」をオプションで用意。データセンター内にあるBD10の設置場所やシステム構成を視覚的に表示し、表示画面から各サーバの操作や一括電源制御、障害箇所などを把握できる。集約した複数のサーバを一括で管理することが可能となるため「システム運用の負担を軽減する」(同社)という。
BD10は、CPUにインテル Core i7-610E プロセッサー(2.53GHz)、インテル Core i5-520E プロセッサー(2.40GHz)を採用。メモリは最小1GB(1GB×1)で、最大8GB(4GB×2)まで搭載できる。内蔵HDDは、2.5型160GB、もしくは2.5型500GBから選択。対応OSは、Red Hat Enterprise Linux 4.8(AMD/Intel EM64T)、Red Hat Enterprise Linux 5.4(AMD/Intel 64)。
価格は、「HA8000-bd/BD10」が18万6900円から、「HA8000-bd用5Uベースユニット」 は34万9650円から。7月15日から出荷を開始する。「Hitachi bd Link /SV」は個別見積もりで、7月30日から出荷開始する。