XenClientとは何か? - (page 3)

田中俊光

2010-07-21 17:47

XenClientのシステム要件

 現在、XenClientは開発途上の製品であり、正式版は今年後半に予定されているXenDesktopの次期リリースの一部として提供される予定だが、「XenClient Express 1.0」のリリース候補(RC)版がすでに公開されており、公式サイトでユーザー登録すれば無償でダウンロードできる

Citrixのサイトの「Try It」のリンクからXenClientをダウンロードできる。またサポートページからリリースノートやユーザーズガイドのPDFファイルをダウンロードできるので忘れずに目を通しておこう。英語だがユーザーフォーラムも用意されている※クリックで拡大画像を表示 Citrixのサイトの「Try It」のリンクからXenClientをダウンロードできる。またサポートページからリリースノートやユーザーズガイドのPDFファイルをダウンロードできるので忘れずに目を通しておこう。英語だがユーザーフォーラムも用意されている※クリックで拡大画像を表示

 ただし、1.0 RCでサポートされているハードウェアは非常に限られている(表1)。XenClientがIntelとの共同開発ということもあり、現状ではAMDのCPUやNVIDIAのチップセットなどはサポートされない。無線LANチップもサポートされるのはIntel製品のみ。グラフィックチップは4シリーズチップセット内蔵のGMA 4500とCore i5/i7内蔵のHD Graphicsのみの対応で、3シリーズチップセット以前の内蔵グラフィック回路はサポートされない。

 また、システム要件には挙げられていないが、仮想化支援機能「VT-x」が無効な環境ではインストール時にエラーとなり作業を完了できないほか、I/O仮想化支援機能「VT-d」が無効の場合はインストール自体は完了するが、XenClientが正常に起動しない(バグか仕様かは不明)。このため「VT-x」「VT-d」共に実質的に必須となっている。

 現状では正式に動作が確認されているハードウェア(表2)も数少なく、「空いているPCで手軽に体験」というわけにはいかないのが残念だが、対応ハードウェアを用意できる方はぜひ試してみてほしい。次回はXenClientの導入とゲストOSのインストール手順について説明する予定だ。

表1.XenClient Express 1.0 RCのシステム要件
CPUIntel Core 2 Duo、Core i5、Core i7
グラフィックチップIntel GMA 4500, Intel HD Graphics
メモリ4GB以上を推奨
ディスク容量160GB以上を推奨
無線LANIntel WiFi Link 5100/5300、Intel Centrino Advanced-N 6200、Intel Centrino Ultimate-N 6300
Intel vPro対応強く推奨

表2.XenClient Express 1.0 RCの動作が確認済みのハードウェア
ベンダ機種
HPEliteBook 6930p、2530p、8440p*
DellLatitude E4300、E6400、E6410*、E6500、E6510*
OptiPlex 780
LenovoThinkPad X200、T400、T500
*スタンバイと外部モニタに未対応

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

関連記事

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]