VMwareは8月31日(米国時間)、IntegrienとTriCipherの2社を買収することで最終合意に達したことを、同社の年次カンファレンス「VMworld 2010」で発表した。Integrienは、アプリケーションとITインフラを対象にリアルタイムでパフォーマンスを分析するソフトウェアを提供。TriCipherは主にID管理製品を提供している。
Integrienの製品は、リアルタイムでパフォーマンスを分析するソフトウェアのため、アプリケーションやITインフラの障害をプロアクティブに検知できる点が特徴となる。VMwareでは、Integrienの製品を「VMware vCenter」製品群に組み込む予定だ。
同社CTO(最高技術責任者)のSteve Herrod氏はZDNet Japanの取材に対し、「Integrienは非常に面白い会社。同社の製品は大規模なバーチャルデータセンターを対象にしている。1万以上のVMを運用しているような企業にとって、さまざまなデータを収集して問題を事前に検知できるIntegrienの製品が有用になる。非常に大規模なパブリッククラウドを提供する事業者の課題解決に役立つはずだ」と答えている。
一方のTriCipherは、クライアントPCやSaaSなどに同一のIDでログオンするシングルサインオン(SSO)の製品を提供している。また、たとえば社内からは利用できるSaaSを社外からはアクセスできないようにするといったコントロールも可能で、Herrod氏は「IT統制を実現するための製品」だと述べている。
VMwareの社長兼CEO、Paul Maritz氏はVMworld 2010会場内で開かれた記者会見で両社の買収に触れ、次のように話している。
「“アジアのテクノロジー”や“中国のテクノロジー”などというものはない。世界はますますグローバル化しているのであり、テクノロジーはテクノロジーなのだ。我々はテクノロジーを手に入れるために、そしてIT as a Serviceのスタックを提供するために企業買収を行った」(Maritz氏)
VMwareはVMworld 2010において、IT as a Serviceを実現するための3つのスタックを説明している。このビジョンについては基調講演のレポート「仮想化の旅はクラウドの実現に通じる--VMworld 2010基調講演」を参照されたい。