仕事の中で自分を表現するための7つの発想 - (page 2)

富永恭子(ロビンソン)

2010-09-01 12:00

#3:リアリティに対するセンサを研ぎ澄ます

 インターネットでの情報収集は効率的だが、これにばかり頼っていると、物事の一面しか見えなかったり、逆に情報があまりにも膨大で、全体像がつかめなかったりすることがある。マーケティングリサーチもひとつの方法だが、最大公約数的な結果から導き出される結論は、質問の設定やデータの読み方ひとつで大きなブレを生じてしまう。

 その意味では、情報やトレンドの移り変わりが際限なく加速し、一方で広範な情報へのアクセスが容易な現在は、かえって物事の本質や実態をつかみにくい時代だといえるのかもしれない。

 だからこそ、「リアリティ」が重要となる。

 共感できるリアリティを提示することが、人の心を揺さぶり、動かすのではないだろうか。そのためには、ときには実際の体験を通してアナログな感覚を取り戻すことも必要だ。リアリティのセンサーを研ぎ澄まし、本質的な価値を中心に据えて戦略を組み立てることにより、新たな突破口が見えてくるかもしれない。

 「今の子どもたちは、ゲームやインターネットで遊ぶ時間が増えて実体験が少ない」と懸念する声もある。しかし、当の大人たちも自慢できたものではないと思う。より現実にフィットした感覚を持てるかどうかが、人間としての力の差となって現れてくるのではないだろうか。

#4:「引き出し役」になる

 例えば、仕事としてプロジェクトを進める際、それを構成するメンバーの間に温度差があるとチームはまとまりにくい。また、顧客は顧客で、仕事を依頼した時点で「後は任せた」とばかり、自分たちの手を離れた「他人ごと」にしてしまっていたりする。そうした中での苦労を味わったことのある人は多いと思う。

 プロジェクトに関係する全員のやる気や一体感を引き出すためには、情報を交換し合いながら、共感を高めることが重要だ。そして、そのためには、情報の「引き出し役」が必要となる。この「引き出し役」を買って出るというのはどうだろう。

 「冗談じゃない。それはプロジェクト責任者の仕事だ」と思うかもしれないが、私は「引き出し役」には得るものも多いと思っている。「引き出し役」は、トークショーの司会者のようなものだ。打ち合わせや会議の席でも、分担した自分たちの進捗をそれぞれが報告するだけに終わらせず、みんなの意見をスムーズに引き出す役割に徹しなければならない。それなりに苦労もあるし、気遣いも必要になる。しかし、プロジェクトに積極的に関わることで、新鮮な視点でプロジェクトを活性化することができるだけでなく、自分自身をも活性化するきっかけにもなる。

#5:ゲームの「コマ」ではなく「プレーヤー」になる

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