NTTデータ ビズインテグラルは9月3日、国際会計基準(IFRS)対応を早期に実現できるという連結会計ソリューション「連結クラウド」を発表した。2011年4月以降に提供する予定としており、パートナーを通じて3000社への導入を目指す。
連結クラウドは、IFRSに対応したマルチテナント型の会計パッケージであり、グループ各社での個別会計を処理する「Biz ∫(ビズインテグラル)会計」、各グループ企業の総勘定元帳を一元管理し、グループ企業ごとに異なるコードも変換して、コード体系の統一も実現できるという「Biz ∫G会計」、グループ全体の連結会計を行う「Biz ∫連結」で構成される。システムを稼働させる基盤に「BizXaaSプラットフォームサービス」を採用し、加えて専門家による「IFRS組替サービス」も利用できるようになっている。
ビズインテグラルは、連結クラウドの提供にあたってディーバと業務提携。ディーバは必要なパッケージソフトをOEM提供し、連結決算パッケージの「DivaSystem 9」がBiz ∫連結として、グループ統一会計パッケージの「DivaSystem GEXSUS」(ディーバが前日の9月2日に発表)がBiz ∫G会計になっている。BizXaaSプラットフォームサービスは、NTTデータが運営する企業や自治体を対象にしたパブリッククラウドサービスだ。
ビズインテグラルの田中秀明氏(取締役営業本部長)は今回の連結クラウドについて「単体決算と連結決算が一体になった初めてのソリューション」と説明。連結クラウドの対象企業は主に3つあるという。
1つめがIFRS対応が必要な子会社だ。このケースでは、業務プロセスと情報システムがともにIFRS対応が必要であり、各社でIFRSに対応するための体制が整えられているという。加えて運用開始後の負荷は親会社と分散することができる。この子会社の場合は、連結クラウドをBiz ∫G元帳を情報連携することで利用することになるという。
2つめが、IFRS対応が必要だが業務的にはそれほど多くないという子会社だ。このケースでは、各社でIFRS対応する体制があるものの、十分ではなく、スケジュールや予算的な問題からSaaSを利用せざるを得ないという状況だ。こうした子会社の場合は、連結クラウドではBiz ∫会計を利用することになる。
3つめが、IFRS用に情報を提供するだけの子会社だ。このケースでは、各社でIFRS対応する体制が取れず、スケジュールや予算の問題から、提供する情報を変換サービスで変換して親会社に提供することになる。この子会社の場合は、運用後の業務負荷は親会社にかかることになる。このケースでは、連結クラウドを利用する際にBiz ∫会計に情報を連携させて、IFRS組替サービスを通すという利用形態になる。
ビズインテグラルは、連結クラウドの顧客獲得目標は2011年4〜6月から3年間で3000社としている。これは、上場企業の連結対象子会社が3万〜5万あるとされ、そのうちの1割を獲得できるのではないかとの計算によるものだ。利用価格だが、1社ごとの月額料金なのか、ユーザー数ごとの月額料金なのかを含めて提供を始める2011年4〜6月までに決めたいとしている。