ディーバ、連結会計システム「DivaSystem」のIFRS対応ロードマップを発表

田中好伸(編集部)

2009-08-07 21:35

 ディーバは8月6日、国際会計基準(IFRS)を踏まえた、同社の連結会計システム「DivaSystem」のロードマップを発表した。2009年内に「コンバージェンス版」、2010年に「トライアル版」、そして2011年に「アドプション版」をリリースする予定だ。

 現在の日本企業のIFRSに対する注目は、もっぱら2014〜2015年にも強制適用が始まるという点に集中している。しかし、それ以前にも日本基準をIFRSと同等のものにする「コンバージェンス」(収斂)の考え方に基づいた制度改正が断続的に行われているのが実態であり、日本企業はこの制度改正に対応する必要がある。

 2009年内にもリリースされるコンバージェンス版は、こうした動きに対応するものだ。2010年4月以降に開始される事業年度の会計では、「企業結合に関する会計基準」や「セグメント情報等の開示に関する会計基準」などが適用されるために、コンバージェンス版では、こうしたものに対応できるようになっている。

 2010年内にリリースされるトライアル版では、日本基準とIFRSの両基準に対応する連結財務諸表を並行して作成することに対応している。IFRS適用における“表示”部分の先行対応ができるようになる。DivaSystemでは、日本基準とIFRSの複数の会計基準で連結財務諸表を作成可能となっているが、トライアル版では、この機能を強化して、より簡単に複数の会計基準で作成した連結財務諸表を出力できるような仕組みにするとしている。

 IFRSでは、従来の「貸借対照表」(B/S)や「損益計算書」(P/L)ではなく、「財政状態計算書」「包括利益計算書」などが求められ、財務諸表の表示が大きく変更されることになる。これにより、各種の財務指標(経営指標)以外にも重視すべき財務指標が生じるなど、開示上の問題だけでなく、経営上のインパクトも大きいものになることが予想されている。IFRSベースの経営を促進することを踏まえて、そうしたインパクトを早期に把握することを志向するユーザー企業を対象に必要な機能を提供するとしている。

 2011年内にリリースする予定のアドプション版は、IFRSでの連結決算処理で日本基準と同じ水準での自動処理が可能になる予定だ。同版では、IFRS適用が見込まれる米国会計基準を採用しているユーザー企業、IFRSを早期適用するユーザー企業に向けて、IFRSでの連結決算に必要な機能を提供する。

 ディーバでは、アドプション版のリリース以降も、過年度遡及にも対応できるように、過去の決算数値を保持したまま差分の仕訳だけを追加して、システムに格納できる機能の追加、IFRSの制度改正への対応、先行してIFRSを適用しているユーザー企業からフィードバックへの対応などをしていく。日本での強制適用が予想される2015年時点で、実際の利用実績を踏まえたソリューションを提供していく方針としている。

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