ノークリサーチは10月21日、2010年の国内の中堅中小企業でのクライアントPCのセキュリティソフトの利用シェアと評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。
導入社数シェアは、1位トレンドマイクロ、2位シマンテック、3位マカフィーと上位3製品が2009年に引き続き全体の約8割のシェアを占め、上位5製品の順位とシェアにも大きな変化は見られなかった。社内のクライアントPCがネットに接続可能な状態であることが一般的なため、セキュリティソフトを変更する手間やリスクは高いとして、そのため今後も大きなシェアの変動は起きにくいと予想している。
製品・サービスの利用形態については、パッケージを社内人員で運用するケースが8割以上を占めた。クラウドを活用したパターンファイルの更新負荷軽減など、ユーザー企業の運用負担を軽減する取り組みが今後の差別化ポイントのひとつになると予想している。今後も利用するかどうかという設問では、79.9%が現在と同じ製品・サービスを継続利用すると回答しており、急激なシェアの変動は起きにくい状況としている。しかし、運用管理・資産管理とセキュリティは境界線が曖昧になりつつあり、カテゴリ自体の融合や分化といった変化が起きる可能性はあるとしている。
今後新たに製品・サービスを導入する際の形態については、現状と比べるとASPあるいはSaaSの形態が全体に占める割合は少ないものの、比率は倍程度になっている。サンプル件数は少ないが、IT資産の運用管理を担う“GUIを持たないSaaS”は今後ニーズ増加が見込まれる分野であり、パッケージ形態からサービス形態への変化の兆しが見え始めているという。
主要な製品やサービスの導入・サポートの価格評価では、ソースネクスト、キヤノンITソリューションズのが高い評価を得ており、動作の軽快さではキヤノンITソリューションズがトップとなった。
調査は8月、年商500億円未満の中堅中小企業を対象に実施した。有効サンプル数は1400件。