「リスクをとる」時に心にとめておきたい10のこと

富永恭子(ロビンソン) 2010年12月08日 09時00分

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 目標を達成するために、やむを得ず危険を犯したり、賭けに出ることが必要な場面がある。そうした決断を人は「リスクをとる」という。ある行動の結果がもたらす「利益」と「不利益」との可能性を吟味し、不利益が生じる可能性があってもそうすべきかどうかを意思決定する。リスクをとった結果、すべてが順調にいけば、利益も満足感も大きいだろう。逆に、うまくいかなければ大損することだってある。

 ビジネスの現場のみならず、人生においてもリスク判断はつきものだ。リスクを避けてばかりいては、大きなリターンは見込めない。リスクは「避ける」ものではなく、「とって」なおかつ、リターンを最大化するための戦略を練ることで、意味のあるものなのだ。今回は、リスク判断を行う際に、心にとめておきたいことをまとめてみた。

#1:できる限りの「可能性」を想像する

 人がリスクをとりたがらない理由は、「損をしたくないから」に尽きる。たしかに「リスク(危険)」という言葉には、不必要な賭けで、確証のない不安定なチャンスに身を投げ出すようなイメージがある。不必要な危険などないに越したことはないが、現実にはそうはいかない。口を開けて待っているだけで、行動を起こさなければ、リターンは享受できない。

 「今、動かなければチャンスを逸してしまう」という形で時間的な猶予が少ない場合に、リスクをとらざるを得ないことも多いだろう。しかし、まず心に留めておきたいのは「リスクをとるときには、事前に可能な限り、起こりうる事態を想定しておく」ということだ。至極当然のことだが、成功するチャンスを最大にするためには、予想されるマイナス要素を最小化する必要がある。そのためには、後の展開を可能な限りシミュレートして「想定外」の事態をできるだけ減らしておく。

 事前に対策が可能な要素については、出来ることを綿密に調整し、段階的にコミットを得ながら慎重に進めるべきだ。簡単な例であれば、例えば「キーとなる人物への根回し」や「プレゼンで想定される質問に対する回答の準備」などもこれにあたるだろう。ことわざでいえば「備えあれば憂いなし」ということになる。

#2:中でも「最悪のシナリオ」は必ず想像しておく

 可能性を検討する際に、特に大切なのは「最悪のシナリオ」を想定しておくこと。これは、そうなった際の具体的な対応策を検討するためだけでなく、「最悪のシナリオを想像しておけば、現実は、たいていそれより悪くはならない」という前提で事態を推し進めるためにも必要だ。

 「コップ半分の水をもう半分しかないと嘆くのではなく、まだ半分あると思う意識の転換が必要だ」という格言を「建設的な楽観主義」と評したのは故小渕恵三元首相だったが、楽観が生み出す心の余裕が、良い知恵を生み出す環境を作り出すことを言いたかったのではないだろうか。

 リスクをとるとき「最悪のシナリオを想像してみる」ことは、万が一の場合にコップが「カラ」になった状態を想像しておくことだといえる。もし、それが自分にとって「致命的」な状態なら、そのリスクをとるべきかどうか再考が必要かもしれない。もし、そうでないなら、現実のチャンスがわずかだったとしても、その実現に挑めるはずだ。自分の心が折れないように準備をしておく。これもリスクをとるときの考え方のコツだ。

#3:最終結果を重視して意思を貫く

 たとえば、古く慣習化した非効率的なプロジェクト管理に疑問を持って、新しい方法を提案するとしよう。脈絡もなく、ただ真正面から実行しようとすれば、たぶん、たちまち否定的な反撃にあうはずだ。維持された現状に揺さぶりをかけようとすれば、常に反対意見に直面するというリスクがある。人は変化を嫌うもの。新しいやり方を覚えるために苦労なんてしたくないし、まして成功が約束されていない新しい方法をとることで、失敗したくもないからだ。

 これはいわば、障害物競走のようなもので、ゴールにたどりつくまでには、事前のネゴシエーションや交渉などを通じて、過程に立ちふさがる非難や不平をうまくすり抜けなければならない。しかし、最も重要なのは、意思を貫きやり遂げることだ。やり遂げて成功すれば、周囲の態度はガラリと変わる。プロセスは無価値ではないが、周囲の人間にとって重要なのは「最終的な結果」である場合がほとんどだということを忘れてはいけない。

#4:事後報告の方が許されやすいケースもある

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