失われた経験知とノウハウ--現場力の回復をITで支援する日立の挑戦

冨田秀継(編集部)

2010-12-10 15:01

 「現場力の回復が望まれている。日立は現場力をITで支える」

 こう語るのは日立製作所の吉村誠氏(アプリケーション基盤ソフトウェア本部 第2AP基盤ソフト設計部 担当部長)。「ZDNet Japan カンファレンス 〜BPMが高める現場力と経営力〜」において、「現場の課題解決実例を通じたシステム改善アプローチ」をテーマに講演する。

 講演では、とある企業(A社)のビジネスプロセス改革をITで支援した事例が紹介される。

日立製作所の吉村誠氏 日立製作所の吉村誠氏

 A社では、M&Aを繰り返した結果、情報システム部門にさまざまな課題が発生していた。日立では、同社のユーザーでもあったA社の中に入り込み、現場でブレインストーミングを重ね、新たな情報システムにビジネスプロセスを落とし込んでいった。ブレインストーミングでの生の声を踏まえた上で、M&Aという経営背景をうまくまとめ、現場力を支えるITの提案を果たしたという吉村氏が、そのプロセスを紹介する講演だ。

 「現場」がもつ不安には様々な要因がある。吉村氏はその代表例として、団塊世代の大量退職、リーマンショック以降の経営悪化による人員削減などを挙げ、現場を支えてきた経験知やノウハウが失われてきていると述べている。一方で、非正規社員の増加、グローバル化による海外オペレーションの増加などを要因として、安全の毀損や品質問題、サービスの劣化といったリスクが現場には潜んでいるとも言う。

 吉村氏によれば、情報システムの役割は「コンピュータを使って業務を効率化する」という言葉に集約できる。業務とは、「作業(人)」と「もの(情報)」との組み合わせで成り立っており、その作業情報の「流れ(プロセス)」が積み重なって企業は活動しているという。

 「情報システムは、プロセスとプロセスをつなげることで、効率化と精度の向上を達成するためのもの」であり、「自動化や品質の向上にも寄与する」と吉村氏は述べる。

 講演ではA社情報システム部門の課題把握、対策方針の策定、日立の支援方針、システム開発や運用のPDCA改善策など、実例に基づいたビジネスプロセス管理(BPM)のあり方が語られる予定だ。

 カンファレンス参加の申し込みは、「ZDNet Japan カンファレンス 〜BPMが高める現場力と経営力〜」から。

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