NECは2月21日、高島屋が運営する複数のECサイトのシステムをECクラウドサービス「NeoSarf/EC」によりプライベートクラウドとして刷新したことを発表した。
高島屋はこれまで、オンラインストア、通販、ファッションモールの3つのECサイトにおいて、1万5000点におよぶ商品を扱ってきた。しかし、これまで3つのシステムを個々に構築しており、運用の効率化が課題となっていたという。
今回導入されたNECのNeoSarf/ECは、商品情報表示や商品検索などの「フロント機能」、商品管理、注文/受注管理、コンテンツ管理、顧客管理などの「バックオフィス機能」、ログ管理、アクセス権限管理などの「共通機能」といったECシステムの基本機能に加え、コンテンツの登録や管理などの付帯機能を提供するクラウドサービス。今回、NeoSarf/ECにより、3つのシステムの「商品管理」「注文管理」「会員管理」など共通の機能を統合して運用できるようにした。これにより、システム運用費を約50%削減できたとしている。
新システムは、1つのEC基盤上で運用されることにより、これまでサイトごとに別々に購入しなければならかった商品を同時に購入し、商品の購入後に各サイトの業務管理システムに振り分ける仕組みにすることで顧客の利便性を向上させたという。また、サイトレスポンスや検索結果表示の向上、ギフト、自家需要商品の混在注文を可能にするなどユーザーサービスレベルを向上させたとしている。
さらに、NECの共通IT基盤サービス「RIACUBE」を活用したことで、中元、歳暮などの繁忙期においても、自社においてサーバ増設を行うことなく、集中するアクセス処理に対応できるという。通常の6倍のアクセスが集中する繁忙期でも通常通りのアクセス処理が実現するとしている。顧客データは一元管理され、顧客動向の分析や新たな販促の実施などが可能で、ECサイトの受注レポート(月6万枚)も電子データ化でき、環境保護にも貢献できるとしている。また、SEO(Search Engine Optimization)対策およびサイト内のユーザビリティも改善し、約20%のページビュー向上を実現したという。