“ユーザー体験”こそ重要
ユーザー体験(ユーザーエクスペリエンス)は今さら驚くようなことではない。これまでは技術の中にいかに機能を追加するかという流れだった。しかしAppleが、実は大切なのは機能ではなくユーザー体験であるということを証明した。ユーザー体験を構成する要素として、Swaminathan氏は「使用する端末が興味を持って使えるものであること」「エンゲージメント、会社のウェブに行ったときに興味を持たせる、心を捉える仕掛け」「複数のプロセスを統合していること」――という3点を挙げる。
たとえば、ユーザーが加入している保険会社のウェブサイトにアクセスすると、ユーザーに絡む部分、ヘルスケアプロバイダー、病院、ラボといった周りのプロセス、自分に関するプロセスの統合や調整が大きな要素となる。端末は一要素に過ぎない。
たとえば入院した場合に、患者のところにはラボや医師などからの請求がバラバラに来ることになる。つまり、これは人間を中心とした仕組みになっていないということの表れである。
もし仮に“ヘルスケアクラウドプラットフォーム”といったものがあれば、サードパーティがまとめて患者への請求を一本化できる。クラウドを活用することで、ファイアウォールの外にあるユーザーデータをパートナーやサプライヤーが活用でき、ユーザー周りでの企業間の処理が容易になるわけだ。