ヤンマー、グローバル販売管理分析システムに「Dr.Sum EA」採用

田中好伸 (編集部)

2011-04-19 19:58

 ディーゼルエンジンや農業機械などを開発、販売するヤンマーは、販売管理分析システムの構築でビジネスインテリジェンス(BI)エンジン「Dr.Sum EA」を採用している。ウイングアーク テクノロジーズが4月18日に発表した。

 ヤンマーグループの情報システム開発を担うヤンマー情報システムは、部品の流通状況を把握、管理するために、各海外現地法人の情報を集約して、グローバルで部品の調達と供給を支えるシステムを展開している。

 その中で、部品に関係する施策の立案や決定と行動、効果のレビューと改善というPDCAサイクルを回していくことを目的に、部品調達システムに集約されたデータを活用して、グローバルな販売管理分析システム「Global Parts Management System(GPMS)」を開発、2010年10月から運用を始めている。

 GPMSは、緊急オーダー完納率や受注回答納期順守率など、受注実績売上や在庫データ、部品サービス状況や実績を、1画面で瞬時に把握でき、北米やアジア、欧州など6カ国にまたがる部品サービスの状況を可視化できるという。

 GPMSに採用するBIツールは当初、Dr.Sum EA以外のものを導入して運用していたが、事前に専用のデータマートを設計する必要があるほかに、「別の角度で分析したい」という新しい要望への対応が困難であることが、開発工数と作業負荷を増大させていたという。そこで、専用データマート不要で高速集計が可能、エンドユーザー側で切り口を変えて自由にドリルダウンできる、ノンプログラミングでグラフを使ったウェブのインターフェース画面を開発できる、オンライン分析処理(OLAP)ツール――といった点を評価して、Dr.Sum EAに切り替えたという。

 GPMSはグローバルな環境での運用であるために、時差や通貨単位など異なる利用環境を持つ、それぞれの地域の運用環境を考慮して、業務に支障のないように勤務時間外のタイミングで更新するという運用上の工夫がなされている。また、通貨のデータテーブルを追加する、サーバへの負担を軽減するために、差分データを更新するなどの運用上の工夫も凝らされているという。

 システムは、集計用のデータベースサーバにDr.Sum EA本体を置き、アプリケーションサーバ側にDr.Sum EAシリーズのフロントツール「Dr.Sum EA Visualizer」と「Dr.Sum EA Datalizer MotionChart」、「Dr.Sum EA Datalizer for Web」を置いている。

 ヤンマー情報システムでは「以前の分析ツールでは10画面必要だったのが、Dr.Sum EAでは、集計したい情報やグラフをウェブ上で自由に設定できるので、1画面で対応でき、開発工数は飛躍的に向上した」と説明。「データ量は圧倒的に増えているが、グラフ作成のスピードは変わっていない。今後はほかの海外現地法人のデータ追加も予定しており、データの持たせ方やビューの組み方はもっと工夫していきたい」と見通しを語っている。

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