日本マイクロソフトでは具体的な対策として、Windows PC自動節電プログラムを配布。これを使用することで、液晶ディスプレイの輝度を抑えたり、15分でスリープモードに移行するといった設定が行われ、PCの節電が可能になるとしている。
Windows PC自動節電プログラムは、5月末までに8万2000本がダウンロードされているという。
また、日本マイクロソフトはPCを節電できる使い方も提案しており、1時間45分以内であればシャットダウンするよりも、スリープモードの方が消費電力が少ないことや、液晶ディスプレイの輝度を40%落とせば23%の消費電力が削減できることなどを、同社ホームページを通じて告知している。
PCの消費電力の削減では、メーカー各社も積極的に取り組んでいる。
NECパーソナルプロダクツが5月中旬から発売している夏モデルでは、Windows XPの最終モデルとなる5年前のPCに比べて、デスクトップPC、ノートPCともに60%減の省エネ化を達成。さらに、手軽に節電行動をサポートするECOボタンや、省エネ効果を見える化する「ECOみえグラフ」といったソフトウェアの提供も行っている。
富士通でも夏モデルでは6年前のPCに比べて81%減という節電効果があることを訴求しながら、NEC同様にECOボタンを搭載したり、省電力ユーティリティによる電源供給抑制を実現。あわせて電源オフ時に充電が完了すると電力供給を停止したり、ピークシフト機能を実現するソフトの配布なども行っている。
ユーザー企業のニーズに変化
企業のIT部門においても、節電や計画停電の意識が高まっているのは明らかだ。
業界団体である一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)が先頃発表した2010年12月のユーザー企業調査によると、サーバを選定する要素として「省電力」をあげた企業は、わずか6%で順位は9位に留まった。
だが、同協会では「東日本大震災後のこれからは、節電が重要な選定要素のひとつになると思われる。同時に、事業継続計画(BCP)の観点からプライベートクラウドを活用したり、サーバ分散を行いたいというニーズがある。さらに、免震構造のデータセンターへ移行させたいといったニーズも顕在化している」(JEITA サーバ市場専門委員会・西崎副委員長)などとして、ユーザーニーズに変化があることを示す。