#3:中立性
Slackwareはパッケージマネージャに依存していないため、その他のディストリビューションに比べると中立性が高い。その理由としては、ほとんどのアプリケーションがソースコードからインストールされるという点に加え、どの企業とも提携していないという点を挙げることもできる。Slackwareはコミュニティの力によって発展してきたディストリビューションなのである。裏を返すとSlackwareは、ディストリビューションをインストールしてすぐに使いたいというユーザーには向いていない。また、異を唱える人もいるかもしれないが、Slackwareではインストールする対象をユーザー自らが(インストール時に)注意深く検討し、選択できるようになっているという点も、中立性を高めるうえで役立っている。このことはデスクトップにも当てはまる。Slackwareでは、(KDEやGNOMEは言うに及ばず)さまざまなデスクトップを使用できるようになっているのだ。
#4:GPLに対する準拠度の高さ
Slackwareは、筆者のLinux経験から言っても、GPLに対する準拠度が最も高いディストリビューションである。前回Slackwareをインストールした際には、GPLに違反しているソフトウェアは1つも見つからなかった(もちろんJavaはインストールしていない)。オープンソースの熱心な支持者にとっては、Slackwareが最適な選択肢となるはずだ。
#5:高速な動作
Slackwareではユーザーが必要とするコンポーネントのみをインストールすることによって、またSlackwareのリリースポリシーによって、ほとんどのディストリビューションよりも高速な動作が可能になっている。筆者は、最新のSlackware(13.37)とKDE 4.5をインストールした環境と、最新のKubuntu(11.04)とKDE 4.6をインストールした環境を、同じマシンを使用し比較したことがある。Kubuntu環境の方が(KDE 4.6の高速化により)高速に動作するはずだったが、結果はそうならなかった。実際に使ってみると、Kubuntu環境よりもSlackware環境の方が、エクスペリエンスという点で優っていたのである。