#6:クリーンかつ優れた設定ファイル
Slackwareについてよく耳にする不満の1つに、設定を行うためのGUIユーティリティが用意されていないという点が挙げられる。これはSlackware内のすべてのサブシステムに当てはまる。例えばユーザーを追加したい場合、コマンドライン環境を使用することになる。また、起動時のサービスやSambaの設定を行いたい場合にもコマンドライン環境を使用することになる。とは言うものの、これによって設定ファイルはよりクリーンなものになるのだ。もっとも、設定ファイルがクリーンになるかどうかはユーザーの設定記述能力に依存しており、そのこと自体はまた別の話だと主張する人もいるだろう。しかし筆者の経験から言うと、Slackwareのようなディストリビューションを使おうとするユーザーのほとんどは、大半のGUIツールが作成する設定ファイルよりもクリーンなものを作り出せるはずだ。
#7:Linuxに対する理解の深化
Slackwareに精通するということは、Linuxに精通するということである。Slackwareはその性質上、他のディストリビューション(おそらくGentooは除外してもよいだろう)に比べて、OS全体に対する深い理解を必要するディストリビューションとなっている。Slackwareのインストール(および管理)を行うことで、ディレクトリ階層やユーザー管理の方法、ネットワーク設定、initシステムなどの知識が深まるはずだ。
#8:サーバOSとしての適性
Linuxを用いたサーバ環境を構築する場合、信頼性やセキュリティ、実績と将来性に目を向けてディストリビューションを選択するのであれば、筆者は迷うことなくSlackwareに白羽の矢を立てるだろう。その理由はたくさんある。上記の項目はもちろんのこと、Slackwareはサーバ向けOSとして洗練されてきているのである(もちろん、Slackwareがデスクトップ向けではないと主張しているわけではない)。Slackwareは規格への準拠に力を注いでいるため、(SambaやApacheといった)標準的なサーバを使ってみれば、それがドキュメント通りに動作するということを体感できる。また、Slackwareは信頼性や効率性の面で常に高い評価を得ているため、OSというソフトウェアに起因する問題や障害に悩まされることも少ないはずだ。