デル、クラウド事業者向けサーバの新製品を発売−OpenStackソリューションも拡充

柴田克己

2011-08-24 18:09

 デルは8月24日、クラウド向けサーバの新製品「Dell PowerEdge C5220 マイクロサーバ」の出荷を開始したと発表した。

 クラウド(Cloud)の「C」を冠するPowerEdge C マイクロサーバシリーズは、同社がクラウドサービスプロバイダーのデータセンター向けと位置づける製品。本来、同社がフルカスタマイズで生産していた「Dell DCS」と呼ばれるサーバ製品のうち、特にウェブサービス事業者からのニーズが高かった構成をシリーズ化したものという。

 新製品となるC5220では、3Uのラックマウントシャーシに最大12台分のサーバ(スレッド)を搭載できる。「スレッド」は、1枚のボードにCPU、メモリ、ギガビットイーサネットポート、ハードディスク(HDD)などを搭載したもので、各スレッドは完全に独立し、シャーシ内の他のスレッドに影響を与えずにメンテナンスが行える。また、ノードを追加したい場合も、新たなスレッドをシャーシに差し込むことで、容易に拡張が行える。

PowerEdge C5220 マイクロサーバは、これまでデルがクラウド事業者向けにフルカスタマイズで提供していた「DCS」より、ニーズの高い構成をシリーズ化したものとなっている。※クリックで拡大画像を表示 PowerEdge C5220 マイクロサーバは、これまでデルがクラウド事業者向けにフルカスタマイズで提供していた「DCS」より、ニーズの高い構成をシリーズ化したものとなっている。※クリックで拡大画像を表示
デル、公共・法人マーケティング本部サーバブランドマネージャーの布谷恒和氏 デル、公共・法人マーケティング本部サーバブランドマネージャーの布谷恒和氏

 デル、公共・法人マーケティング本部サーバブランドマネージャーの布谷恒和氏は、一般的な1Uサーバと比較したPowerEdge C マイクロサーバの優位性として、「設置スペースの削減」「効率的な冷却機構」「消費電力の削減」を挙げる。3Uのサイズに12ノードを集約できる同製品では、設置スペース効率で4倍、削減できる消費電力は1ノードあたり約40%だという。

 また、冷却機構については、「デルとしては初めて、100%のコールドアイル・メンテナンスを可能とした製品」(布谷氏)とする。これは、シャーシおよびスレッドの設置後に、すべてのメンテナンス作業を通路側(コールドアイル)から行えるようにしたもの。冷却効率を高め、電力消費を極限まで抑えるために、排気通路となる「ホットアイル」を密封し、専用のスペースで循環させる仕組みをとっているデータセンターにも適用可能という。

3Uサイズのシャーシに12台のサーバ(スレッド)を搭載可能。スレッド(画面右)を差すことで独立したノードを容易に追加できる。※クリックで拡大画像を表示 3Uサイズのシャーシに12台のサーバ(スレッド)を搭載可能。スレッド(画面右)を差すことで独立したノードを容易に追加できる。※クリックで拡大画像を表示

 布谷氏は、Cシリーズを「(SANへの対応やノード間スイッチなどを含む)高度な管理機構が求められるブレードサーバと異なり、高集積、省電力が求められるデータセンターにおいて、効率的に独立ノードを増やしていきたいといった、完全なスケールアウトのニーズに応える製品」と説明。ウェブホスティング、ウェブサービス、コンテンツ配信ネットワークなどの、「クラウド環境のフロントエンド」を担うサーバ製品として訴求するという。

 C5220は、プロセッサとしてインテルXeon E3-1200番台、もしくはCore i3-2120を搭載可能(スレッドあたり1ソケット)。スレッドあたり4本のDIMMスロットを備え、最大32Gバイトメモリが実装できる。価格は111万4050円より。

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