日立ソリューションズは12月2日、東京・品川で「Hadoopが導く分散処理における次世代のバッチ処理開発とは〜Asakusa FrameworkによるHadoopエンタープライズ適用セミナー〜」を開催した。
本稿ではそのうち、日立ソリューションズ 技術統括本部 技術開発本部 オープンソース技術開発センタ 担当部長 吉田行男氏による講演「日立ソリューションズのHadoopへの取り組み〜Asakusa FrameworkとJP1/AJS連携について〜」の概要を紹介する。(関連記事:Hadoop&Asakusaを基幹業務で使い倒す--ノーチラス 神林飛志氏)
Hadoopによる「業務バッチ処理」の高速化
日立ソリューションズは前身の旧日立ソフトと旧日立システム時代から、Linuxのエンタープライズサポートなど企業のオープンソース導入に積極的に取り組んできた実績をもつ。「安心できるオープンソースソリューションをワンストップで支援」をポリシーに、企業への導入計画、構築、運用に至るまでのサポート体制を敷いているほか、新しいOSS技術の発掘も行っている。
Hadoopに関しては2011年1月から「Hadoop基盤導入・構築サービス」の提供を開始しており、Hadoop導入のヒアリング、環境設計、構築、アプリケーション開発支援などを行っている。このサービスにおいて、とくに力を入れているのが日立製作所の統合システム運用管理製品「JP1」、そして国産HadoopフレームワークのOSS「Asakusa Framework」との連携だ。
吉田氏が所属するオープンソース技術開発センタでは現在、クラウドと業務バッチ処理基盤にフォーカスしている。うち、業務バッチ処理基盤では、バッチ処理の高速化と効率化を望む顧客の要望が非常に高いという。「一般の企業には、実はビッグデータといえるものはそれほど多くない。だがバッチ処理はどこの企業にも必要な作業であり、バッチ処理の高速化と効率化を求めるのは当然のこと」と吉田氏。
そして業務バッチ処理の高速化に最適と同社が判断したOSSが「Asakusa Framework」というわけだ。
なぜAsakusa Frameworkなのか。吉田氏は理由として、以下の4つの点を挙げる。
- 普通の企業でも適用可能:バッチ処理のない企業はない
- 効果がわかりやすい:業務バッチ処理が早くなれば、時間やコストに余裕ができる
- Hadoopを知らなくても開発可能:業務バッチを書ける人材がいればOK。Java/Eclipseを知っていればMapReduceを知らなくてもよい
- 安心して使える:国内に開発者がいる(ノーチラス・テクノロジーズ)のですばやい対応が期待できる