ノークリサーチはこのほど2011年度上期(4~9月)のPCサーバ出荷調査を発表した。同期は出荷台数が前年比6.7%増の26万7852台、出荷金額が前年比7.1%増の1466億円となっている。
東日本大震災のサーバ需要への影響は軽微であり、統合集約による新規サーバ導入が仮想化の進展で進んだと分析している。好調なネットサービス業界でのサーバ需要が変わらず好調だったことも後押ししているという。部分的に震災当時の3月の需要が4月以降にシフトしたのも加わっている。全体的には震災を契機としたシステム増強やバックアップ対応などで伸びたとしている。
業種別に見ると官公庁、金融や医療、流通・サービス業での民需が比較的好調。製造業は大企業を中心にまだ本格的とは言えない状況が続いているという。
形状別では、タワー型が前年比19.5%増の10万419台と2ケタ成長となり、構成比でも全体の37.5%となっている。タワー型は部門や店舗単位での更新やバックアップ用途など、間接販売で幅広く販売されたという。小型製品や低価格製品を上位のベンダーがそろえたことも要因としている。
ラック型は前年比2.8%減と前年を下回っており、全体の構成比でも48.5%と半数を割っている。ブレード型は前年比12.8%増の3万7430台とこちらも2ケタの成長。全体での構成比は14.0%。ブレードの伸びは緩やかだが上昇傾向が続いているという。
メーカー別に見ると、NECが前年比3.7%増と前年を上回っており、台数ベースのシェアは24.8%と1位を維持している。NECは通信事業者系とデータセンター系に直販で千数百台規模の大口案件があったが、製造業はまだ需要が戻りきれていないこと、震災後ということもあって官公庁系で目立った大口案件がなかったと説明している。だが、ネット系企業などの好調な業界での実績とチャネル販売力、既存ユーザーの存在が上期実績の底支えになっているのが強みと分析している。
シェア2位の日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は前年比16.6%増と前年を大きく上回る実績となった。NECと富士通の国産勢に挟まれながらもシェア23.5%となっている。上期前半は豊富な製品供給力と販売チャネルの後押しもあって好調という。
富士通は3位。前年比11.4%増。シェアは21.1%と日本HPとの差はわずかに2ポイント。全社一丸となってPCサーバの販売体制や支援体制と品揃えを強化、低価格化も奏功したとしている。全国での比較的小規模な販売チャネルでのタワー型の拡販も好調だという。
4位以下を見ると、デルが台数シェアで10.5%と4位に。前年比15.8%減と大きく前年割れしており、得意としている中堅中小企業(SMB)向けが苦戦している関係で、台数の面で相対的に上位ベンダーとは差が付く結果になっている現状では、大企業やITサービス業に向けての大口商談が目立ってきているという。
5位の日本IBMは前年比8.2%増、シェアは9.4%まで戻してきている。中堅企業以上には販売チャネル活用型と統合集約型の展開で台数でも実績を高めてきている。6位の日立製作所は前年比17.3%増と伸びが大きいが、シェアは5.5%とまだ低い。ブレードが目立つ構成だが、大企業へのラック型も比較的好調に推移。大企業への直販主体であるため、台数よりも高機能、高価格なレンジでの展開になっているという。グループ再編後の拡販効果は2012年度以降とみている。
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