ビッグデータ時代に不足する「データサイエンティスト」
2つ目の重点領域であるセキュリティ分野では、バックアップ製品を中心に災害復旧(DR)ソリューションを提供する。また、山野氏は「台風や水害のように災害を予測できるとき、データセンターの環境を別の場所によせて、被害を最小化するような取り組みが米国で始まっている」と述べ、災害回避(Disaster Avoidance:DA)ソリューションを提供することも明らかにしている。そのほか、製品面ではサイバー攻撃対策ソリューションの提供にも注力する考えだ。
製品の提案と構築にあたっては、自社のコンサルティング部門だけでなく、上流コンサルティングパートナーとの協業を深めていくとしている。
3つ目の領域であるビッグデータ分野では、重点的に人材育成に取り組む。
「私たちに不足しているのは、統計などの科学的な検知でデータを分析するデータサイエンティストだ。米国ではPh.D.(博士)とMBAの両方を持っている(ビジネス感覚がある)科学者のような人がやっている仕事だ。EMCジャパンではデータサイエンティストの発掘と育成を進める。そのための横断的な教育コースや認定プログラムを提供していく」(山野氏)
また、GreenplumやHadoopに関連する戦略的な協業プログラムも推進する意向。1月19日にはその第1弾としてAsakusa Frameworkで知られるノーチラス・テクノロジーズと協業している。
米EMCは2011年通期の売上高が前年比18%増の200億ドル、純利益は同30%増の25億ドル(GAAPベース)だったという。山野氏は「日本法人はこれよりも高い成長、円ベースでもこれ以上の成長だ」と2011年の実績に自信を見せている。EMCジャパンでは2012年から始まる3カ年計画でも「2ケタ成長を続ける」(山野氏)としている。