シュナイダーエレクトリックは、受配電・制御機器、オートメーション事業などを世界的に展開している仏Schneider Electricの日本法人だ。仏Schneider Electric傘下のエーピーシー・ジャパン(APCジャパン)が、2011年10月にシュナイダーエレクトリックへと社名変更して誕生した。
2012年1月、同社社長にArnaud Mondi(アルノ・モンディ)氏が就任。旧APCは無停電電源装置(UPS)をはじめとする電源管理や冷却装置で実績が豊富だったが、新生シュナイダーエレクトリックは今後、どこを目指し、どう変貌していくのか。モンディ氏に事業戦略を聞いた。
ソリューション事業の拡大に注力
シュナイダーエレクトリックのアルノ・モンディ社長
我が社の強みはUPSだが、現状とは異なる分野への展開を図りたいと考えている。従来の強みを活かしながら、さらにビジネスを拡大させていく。
シュナイダーエレクトリックは、グループ全体で新分野の開拓や事業創出を図っている。我々は包括的なソリューションを提供できるため、日本市場でも新領域の創造に着手していきたい。また、シュナイダー本社は、製品を単に販売するだけの事業から、ソリューション事業への移行を進めている。我々も同様の取り組みを強化していく。
当社はもともとUPSに強みを持つとともに、データセンター向けの冷却装置から配電システムまでを手がけられるため、データセンターの全体的な効率化ソリューションを提案することができる。これが他社にはない強みだ。
IT機器の電源確保から建物全体のエネルギー管理へ
また、国内のグループ企業との連携も強化していきたいと考えている。グループ企業の力を借りて、UPSを工場や機械メーカーに販売するなど、産業向けのビジネスもさらに拡大させる。工場などの複雑なプロセスは、企業のサーバと同じで、ほんの数分でも停止してしまうと大変な事態となる。潜在的な需要が見込める領域だ。
また、電源確保の領域をさらに拡大し、産業向けエネルギー管理のソリューションにも力を入れる。この分野には、データセンター向けのUPSやラック、冷却装置などがあるが、これらを複合的に組み合わせるだけでなく、さらに発展させて建物全体の電力制御を実現するソリューションもある。