エネルギー管理の多様化を成長につなげる--シュナイダーエレクトリック モンディ社長

聞き手:冨田秀継、文・構成:大川淳

2012-04-05 11:02

 シュナイダーエレクトリックは、受配電・制御機器、オートメーション事業などを世界的に展開している仏Schneider Electricの日本法人だ。仏Schneider Electric傘下のエーピーシー・ジャパン(APCジャパン)が、2011年10月にシュナイダーエレクトリックへと社名変更して誕生した。

 2012年1月、同社社長にArnaud Mondi(アルノ・モンディ)氏が就任。旧APCは無停電電源装置(UPS)をはじめとする電源管理や冷却装置で実績が豊富だったが、新生シュナイダーエレクトリックは今後、どこを目指し、どう変貌していくのか。モンディ氏に事業戦略を聞いた。

ソリューション事業の拡大に注力

シュナイダーエレクトリックのアルノ・モンディ社長
シュナイダーエレクトリックのアルノ・モンディ社長

 我が社の強みはUPSだが、現状とは異なる分野への展開を図りたいと考えている。従来の強みを活かしながら、さらにビジネスを拡大させていく。

 シュナイダーエレクトリックは、グループ全体で新分野の開拓や事業創出を図っている。我々は包括的なソリューションを提供できるため、日本市場でも新領域の創造に着手していきたい。また、シュナイダー本社は、製品を単に販売するだけの事業から、ソリューション事業への移行を進めている。我々も同様の取り組みを強化していく。

 当社はもともとUPSに強みを持つとともに、データセンター向けの冷却装置から配電システムまでを手がけられるため、データセンターの全体的な効率化ソリューションを提案することができる。これが他社にはない強みだ。

IT機器の電源確保から建物全体のエネルギー管理へ

 また、国内のグループ企業との連携も強化していきたいと考えている。グループ企業の力を借りて、UPSを工場や機械メーカーに販売するなど、産業向けのビジネスもさらに拡大させる。工場などの複雑なプロセスは、企業のサーバと同じで、ほんの数分でも停止してしまうと大変な事態となる。潜在的な需要が見込める領域だ。

 また、電源確保の領域をさらに拡大し、産業向けエネルギー管理のソリューションにも力を入れる。この分野には、データセンター向けのUPSやラック、冷却装置などがあるが、これらを複合的に組み合わせるだけでなく、さらに発展させて建物全体の電力制御を実現するソリューションもある。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    2025年はクラウドを標的にする攻撃が増加!?調査レポートに見る、今後警戒すべき攻撃トレンド

  2. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  3. セキュリティ

    Microsoft Copilot for Security--DXをまい進する三井物産が選んだ理由

  4. 経営

    プロが教える“使える業務マニュアル”--作成・運用を実現する3つのポイント

  5. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]