Appleとはエコシステムである
Appleがハードウェアとソフトウェアを開発できることには疑いはないが、最近ではAppleはその2つ以上の存在だ。AppleをAppleたらしめているのは同社のエコシステムだ。コンテンツ契約には相当な努力が必要だったはずで、特にコンテンツホルダーが新しいデバイスを既存の収益源に対するリスクだと見なしていることを考えればなおさらだ。
結論としては、Appleは素晴らしいテレビを作るだろうし、おそらく大きな収益を上げるだろう。Appleはすでにセットトップボックスを持っており、5年近くもの時間をかけているのだ。
この動きはまた、理にかなっている。同社は背景に膨大なコンテンツエコシステムを持っており、全体的なコンセプトは論理的に見える。ただ、最近iTVとよばれるものに関するニュースが頻繁に流れていることについては、1つ思うことがある。もし今回のこのうわさが間違いだったらどうなるのだろうか。もしiTVが幻のマシンだったら?
うわさがうわさを呼ぶ状態になっている場合は大抵、そのうわさの出所は、憶測や関係者のリーク情報、サプライヤーの情報を調べ上げたアナリスト、あるいはインターネット上の熱狂的なAppleファンの単なる願望だ。
ところが今回の場合に限っては、うわさの出所は前最高経営責任者(CEO)その人であり、匿名の関係者や、サプライチェーンの状況から未来を占うのを得意とするコネのあるアナリストではない。
Steve Jobs氏とAppleのテレビ
Steve Jobs氏は、同氏の伝記を書いたWalter Isaacson氏に次のように述べている。「わたしは、十分に使いやすい統合テレビセットを作りたい。・・・それは、自分が持っているすべてのデバイス、そしてiCloudとシームレスに同期する。また、想像できる限りシンプルなユーザーインターフェースを持つようになる。ようやくそれが分かった」
うわさが公式に認められることは決してないため、そこに本物の好奇心が生まれる。なぜなら、Appleの広報担当者と話したことのあるジャーナリストは、「Appleは将来の製品についてはコメントしない」という言葉しか聞くことができないからだ。