「超リアルタイムビジネスがパラダイムシフトを引き起こす」:SAP共同CEO

三浦優子 2012年06月13日 13時49分

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 SAPジャパンは6月12日、イベント「SAP Forum Tokyo」を開催した。SAP AGの共同最高経営責任者(CEO)であるJim Hageman Snabe氏が基調講演を行い、同社が目指す“超リアルタイムビジネス”をテーマに、テクノロジが起こしたパラダイムシフトがエンタープライズシステムにどのような影響を及ぼすのかを紹介した。

3つの技術が変化の源泉

 基調講演の前にSAPジャパン代表取締役社長である安斎富太郎氏が登場。「今年はSAPにとって特別な年。ドイツ本社は1972年設立で、今年が40周年にあたり、日本は1992年に設立し、20周年を迎える」ことを紹介した。

写真1 SAPジャパン代表取締役社長の安斎富太郎氏

 安斎氏は日本の経営者に接している中で「企業体質の強化と成長戦略をどう描くかという2つが課題として上がっている」と説明。この課題を解決するのは(1)標準化=Standard、(2)簡素化=Simple、(3)スピード=Speedという3つの“S”で、SAPはそれを具現化するための技術と製品を持っていると話した。

 SAPは、統合基幹業務システム(ERP)パッケージ、アナリティクス、モバイル、クラウド、データベースとテクノロジの5つの分野にフォーカスしており、「この5つの分野で3つのSを実現することで、お客様の課題解決につながる。今日は基調講演で、共同CEOであるSnabeから、その詳細をご説明させて頂く。彼は22年前にSAPに入社し、ほぼすべての部門で働いた経験を持っている。基調講演に続いての特別講演では、ドイツ本社の研究部門に所属するMartin Przewloka(マーティン・シェブロッカ)博士から研究開発部門の取り組みについてご紹介させて頂く。どちらの講演も、本日参加して頂いたお客様及びパートナーの皆様のビジネスのプラスになれば」と締めくくった。

 基調講演に登壇したSnabe氏は冒頭、SAPがもともと「リアルタイムコンピューティングの実現」を目標として、1972年に4人の起業家が設立したことを紹介。当時の主流であったメインフレームは高価格だったため、SAP自身はコンピュータを所有してはいなかったのだという。SAPがコンピュータを購入したのは1979年のことで、Siemens製のメインフレームを購入したが、そのメモリ容量は2Mバイトだったそうだ。設立した年の1972年から現在までの40年間の変化を踏まえ、Snabe氏がこう語る。

写真2 SAP共同CEOのJim Hagemann Snabe氏

 「SAPが設立された1972年、John F. Kennedy大統領によるアポロ計画が決着した。Kennedy大統領はテクノロジリーダーとなり、目指すべき方向を定めた。それでは現在、テクノロジの方向を見定めるために、40年後にはどんな技術が実現しているのだろうか? それは想像するべくもないが、テクノロジリーダーとしてはそれを考えていかなければならない。我々はテクノロジの変化によって起こった大きなパラダイムシフトの中で生きている」

 40年前はコンピュータを活用できるのは一部の企業ユーザーにとどまっていたが、現在はコンシューマーユーザーであっても、どんな規模の企業であってもコンピューティングパワーを活用できる。その上で現在重要なテクノロジとしてモバイルとクラウド、そしてインメモリ化を挙げた。

 「モバイルデバイスは、70年代のメインフレームの1000倍のコンピューティングパワーを持つ。利用者は誰でもリアルタイムで繋がっている。現在は主にコンシューマ分野で利用されているリアルタイム性が、今後はエンタープライズ分野でも当たり前のものになり、全てのエンタープライズシステムがモバイル化されるだろう。それを支えるのがクラウド。モバイルデバイスの利用者はAmazonやGoogleがどんなハードウェアを使ってクラウドサービスを提供しているのかなど関係ない。重要なのは、即コンピュータパワーを使えること。利用者はスピードを実現することに大きな価値を見出す。今後5年かからずに、全てのエンタープライズシステムがクラウド化されるだろう」

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