トレンドマイクロは6月18日、新たにSSLサーバ証明書サービス「Trend Micro SSL」の提供を開始すると発表した。6月29日から同社の大手ユーザー企業を対象に招待制で提供する。
2012年中に北米でも販売を開始、日本での一般販売は2013年第1四半期(4~6月)を予定している。Trend Micro SSLは、組織認証(OV)と拡張認証(EV)のSSLサーバ証明書を年間定額、証明書数は無制限で提供するサービス。認証業務はすべてトレンドマイクロが実施する。
Trend Micro SSLでは、OVとEVのどちらも利用可能となっており、数量が無制限なため追加がいつでも可能。また、OVからEVへのアップグレードも追加費用の必要なく行える。認証プロセスは「WebTrust」で認証され、「CA/Browser Forum」により示された認証クライテリアを採用している。ひとつの証明書で複数ドメインに対応するほか、日本語のドメイン名にも対応し、複数ドメインの一括登録も可能となっている。
実際に認証されたウェブサイトにアクセスするとアドレスバーが緑色に表示され、トレンドマイクロによって認証されているというポップアップが表示される。また認証されているサイトシールも表示され、クリックすることで詳細を確認することも可能だ。同社ではTrend Micro SSLの参考標準価格を1社あたり年間40万円としており、年間500社への導入を目標としている。
同社のエグゼクティブバイスプレジデントであるWael Mohamed(ワイエル・モハメド)氏は「スマートフォンの利用拡大によってネットのトラフィックが増大しており、その10%がモバイル端末によるものとなっている」と説明。「クラウドの拡大によってデータセンターなどの仮想化も進み、2014年までに72%が仮想化される。さらにECサイトの利用などでSSLサーバ証明書の利用も18%成長している。高まるSSLサーバ証明書の需要に新しい形で答えていく」と市場に参入する背景を明らかにしている。
執行役員でエンタープライズマーケティング部部長を務める新井一人氏は「全世界のウェブサーバ数は約7億台であり、2011年から倍増している。しかし、従来のSSLサーバ証明書は現在の環境に適しておらず、現実的ではない。また、2011年には大手認証局へのハッキングによって不正な証明書が発行される問題が発生した」と現状の課題を説明する。その上で「Trend Micro SSLは“高いコスト効果、高いレベルの信頼性、ユーザー環境にあわせた柔軟性”による新しい形のSSLサーバ証明書」と優位性を強調している。