企業コンテンツの配布方法を再考する--広がる企業のタブレット導入

Will Kelly (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2012-07-31 07:45

 タブレットが企業に大量導入されるようになると、企業コンテンツの配布方法に見直しを行う必要が出てくる。本記事では、タブレット向けに企業コンテンツを配布する際に検討しておくべき点を解説する。

 筆者がテクニカルライターの仕事を始めた頃、技術マニュアルや企業文書の評価基準は厚さと重さであった。表現を変えれば、マネージャーの机の後ろに置かれた本棚を占めるスペースそのもので評価されていたわけである。その後、「Adobe Acrobat」のPDFや「Microsoft Word」の.docといった電子フォーマットが一般に好まれるようになった。読者としては必要な場合にのみ印刷すればよいようになったわけだ。そして最近では、タブレットの急速な普及によって企業コンテンツの発行形態や配布形態にさらなる変化の波が押し寄せようとしている。

 タブレットが企業に大量導入されるようになると、企業は社内のコンテンツを発行、配布する方法について考え直す必要に迫られるはずだ。なお、こういったコンテンツにはドキュメントやポリシー、手続き、企業におけるその他の連絡資料といったものすべてが含まれている。

パブリッシングモデルを再考する

 企業ドキュメントを発行する際の形態としてはさまざまなものが考えられるが、いったんタブレット向けにコンテンツの発行を始めたのであれば、タブレットの普及レベルに応じた新たなニーズ、特にアクセス方法やセキュリティに関するニーズを取り込んでいくことになる。また、ポータビリティという側面は別にして、タブレット向けのドキュメントを発行することで、エンドツーエンドのセキュリティをはじめとするさまざまな機能の利点を、企業が実装するシステムに応じて引き出していくことが可能になる。以下は、タブレットにおける3つのパブリッシングモデルである。

  • 受動的パブリッシングモデル:このパブリッシングモデルは、タブレットが登場する前のそれとほとんど同じであり、印刷可能なドキュメントをウェブサーバにアップロードし、そこへのリンクを張っておくというものである。タブレットユーザーが行うことは、リンクをタップしてドキュメントをダウンロードした後、お気に入りのPDFリーダーやOfficeスイートでそのドキュメントをオープンするだけだ。ただこのモデルでは、ドキュメントが格納されているサーバとタブレットとの接続にセキュリティというものがほとんど、あるいは一切存在していない。このため、タブレット向けの発行に力を入れていくつもりなのであれば、CMSや権限管理サーバへのアップグレードを検討するべきだろう。
  • 能動的パブリッシングモデル:このモデルでも、CMSがコンテンツの更新や発行の管理に威力を発揮する。また権限管理サーバも、オンラインドキュメントの最新のバージョンをタブレットユーザーに提供するうえで役に立つはずだ。
  • セキュアパブリッシングモデル:このモデルでは、プロプライエタリでしばしば社外秘のドキュメントを発行するために権限管理サーバ(「Adobe LiveCycle Server」など)とCMS、セキュアなネットワークを使用することになる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]