野村総合研究所(NRI)は8月2日、企業が顧客や従業員、取引先などに対してさまざまなクラウドサービスを提供するための共通基盤「OpenStandiaクラウドサービス・プラットフォーム」の提供を開始した。
現在、インターネットを経由したサービスが次々と提供されるようになっている。例えばメーカーでは、製品を購入した顧客に対して、その製品に付随する情報やサービスをネット経由で提供している。そうすることで、製品に付加価値を付けたり、顧客との接点を強化したりといった取り組みが進んでいる。販売店や取引先に対しても、商品情報や在庫情報などをネット経由で提供することで、サプライチェーンを高度化する取り組みも展開されている。
だが、こうした取り組みが強化され、提供されるサービスが増加するにつれて、課題も顕在化するようになってきている。例えば、複数のサービスでログインIDの管理やユーザー認証が個別に行うことで、顧客や取引先は1人で複数のIDやパスワードを保有し、何回もログインする必要がある。
顧客や取引先は、サービスの問い合わせ窓口や申込方法が統一されていないため、顧客はどこに問い合わせていいのか分からないといった課題も出てくる。企業内部でも、顧客情報が統合管理されていないために、効率的に自社の顧客と連絡を取ることができないといったこともあるだろう。
今回提供するOpenStandiaクラウドサービス・プラットフォームは、こうした課題を解決することを狙っている。現行の業務アプリケーションや市販のパッケージソフトウェア、SaaSを改修することなく、今回のサービスと連携できる。ログインIDとパスワードは統合管理され、一度認証を受けるだけで、そのほかのサービスを利用できるシングルサインオン(SSO)も実現できるとメリットを強調する。
複数のサービスで別々に管理していた顧客情報を一元的に統合管理でき、効率的、効果的に顧客とコミュニケーションできるとの利点を説明する。企業が提供する複数のサービスで、顧客のアクセスログや問い合わせ履歴も統合管理することで、どんな顧客がどのようにサービスを利用しているかといった分析も容易になるとも説明している。