NRI、クラウドサービス共通基盤を提供--SSOが実現、顧客情報を一元管理

田中好伸 (編集部)

2012-08-02 17:40

 野村総合研究所(NRI)は8月2日、企業が顧客や従業員、取引先などに対してさまざまなクラウドサービスを提供するための共通基盤「OpenStandiaクラウドサービス・プラットフォーム」の提供を開始した。

 現在、インターネットを経由したサービスが次々と提供されるようになっている。例えばメーカーでは、製品を購入した顧客に対して、その製品に付随する情報やサービスをネット経由で提供している。そうすることで、製品に付加価値を付けたり、顧客との接点を強化したりといった取り組みが進んでいる。販売店や取引先に対しても、商品情報や在庫情報などをネット経由で提供することで、サプライチェーンを高度化する取り組みも展開されている。

 だが、こうした取り組みが強化され、提供されるサービスが増加するにつれて、課題も顕在化するようになってきている。例えば、複数のサービスでログインIDの管理やユーザー認証が個別に行うことで、顧客や取引先は1人で複数のIDやパスワードを保有し、何回もログインする必要がある。

 顧客や取引先は、サービスの問い合わせ窓口や申込方法が統一されていないため、顧客はどこに問い合わせていいのか分からないといった課題も出てくる。企業内部でも、顧客情報が統合管理されていないために、効率的に自社の顧客と連絡を取ることができないといったこともあるだろう。

OpenStandiaクラウドサービス・プラットフォームのイメージ
※クリックすると拡大画像が見られます

 今回提供するOpenStandiaクラウドサービス・プラットフォームは、こうした課題を解決することを狙っている。現行の業務アプリケーションや市販のパッケージソフトウェア、SaaSを改修することなく、今回のサービスと連携できる。ログインIDとパスワードは統合管理され、一度認証を受けるだけで、そのほかのサービスを利用できるシングルサインオン(SSO)も実現できるとメリットを強調する。

 複数のサービスで別々に管理していた顧客情報を一元的に統合管理でき、効率的、効果的に顧客とコミュニケーションできるとの利点を説明する。企業が提供する複数のサービスで、顧客のアクセスログや問い合わせ履歴も統合管理することで、どんな顧客がどのようにサービスを利用しているかといった分析も容易になるとも説明している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  3. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  4. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

  5. セキュリティ

    急増する工場システムへのサイバー攻撃、現場の課題を解消し実効性あるOTセキュリティを実現するには

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]