仮想化の先をにらむ--クラウドOSを謳う「Windows Server 2012」

大河原克行 2012年09月05日 21時12分

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新たな世代のクラウドOSを謳うWindows Server 2012

 日本マイクロソフトが新たなサーバOS「Windows Server 2012」を9月1日に出荷した

 2012年7月にスタートしたマイクロソフトの新会計年度は、10月26日の「Windows 8」発売をはじめ、同社始まって以来の新製品数が発売されることになる。Windows Server 2012の発売は、その第1弾となる。

 日本マイクロソフト 執行役 マーケティング&オペレーションズ ゼネラルマネージャーのマイケル・ビール氏は、「今、重要な時代、新たな時代の幕開けを迎えている。マイクロソフトにとっても、すべてのプロダクトが一新される大きな1年になる」と語り、「このタイミングにあわせ、マイクロソフトのロゴが新たなロゴへと変更されたことは、まさに打ってつけのタイミング。会社の変革を意味するものになる」と続けた。

 マイクロソフトは8月下旬、コーポレートロゴの変更を発表。今回の会見は、日本では新たなロゴを使用した最初のイベントとなった。

 ビール氏は、これまでにマイクロソフトが投入してきた製品の歴史を大きく3つの時代に分ける。

 一つ目がMS-DOSの時代、二つ目がWindows 95の時代。そしてWindows Server 2012から始まる一連の新製品群の発表が三つ目の新たな世代というわけだ。

 「Windows NTでクライアント/サーバ時代が幕を開けた。今回のWindows Server 2012は、クラウド OS時代を開くものになる。現在の市場環境をみると、ユーザーの数やデバイスの数が急増し、アプリケーションも急速に増加している。そして、様々なデータが活用されるという大きな環境の変化がある。それに対応したサーバOSがWindows Server 2012だ。日本マイクロソフトはこの製品によって、お客様とパートナーに対する、オンプレミスからクラウドへの移行をお手伝いしたい」と語る。

 「Windows Server 2012は、第1走者になる」と、ビール氏は語る。

 「これはリレーを行っているのと同じである」と表現し、第1走者のWindows Server 2012、第2走者のWindows 8、第3走者の新たなOffice製品へと、バトンを渡すように新製品を発表していくことになるとする。

 第1走者となるWindows Server 2012は、従来の「Windows Server 2008 R2」に比べて、180以上の新機能を実装したほか、さまざまな機能強化も図っており、「小規模なサーバから大規模なクラウド環境まで、多様なニーズに対応できるサーバOSになっている」とする。

 「New Cloud OS」というのが、今回のWindows Server 2012を表現する言葉だ。

 「これまではサーバ1台に平均して約100台のクライアントPCがぶら下がるという環境だった。これが今は、サーバ1台にスマートフォン500台がぶらさがるという関係へと変化してきている。しかし、これ以上に大きな変化は、サーバとアプリケーションとの関係の変化である。いま出現している環境は、サーバ、ストレージ、ネットワークを介してアプリケーションをプールし、必要なときに、必要な量だけを使うという手法である。それが社内にプールされているのか、社外のクラウドにプールされているのかといったことにはとらわれない。そうした時代の変化に最適化したのがWindows Server 2012だ」(日本マイクロソフト 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部の梅田成二本部長)とする。

 オープンな開発環境、一元的なシステム管理、共通のIDとセキュリティ基盤、プラットフォームとしての仮想化という4つの観点から、「the Cloud OS」としての位置づけを実現しているという。

 日本の市場では現在220万台のサーバがインストールされており、マイクロソフトのシェアは73.7%。また、そのうち45.6%が2010年でメインストリームサポートが切れている「Windows 2003」だ。「こうした塩漬けにされている領域をはじめ、国内市場では74万台のマイグレーション機会が見込まれる」と、梅田氏は語る。

 Windows Server 2012には前年比2倍のマーケティング費用を投入。「これは過去最大の投資になる」と、積極的に仕掛けていく考えだ。

 同社では「ここに“未来”を搭載せよ」をキーワードとしたキャンペーンを9月5日から開始。Windows Server 2012の導入メリットなどを提案し、パートナー各社の最新情報や導入支援情報を紹介する一方、Windows Server 2012全国セミナーを開催していく。9月27と28の両日に開催する「The Microsoft Conference 2012」を皮切りに、全国規模でWindows Server 2012の特徴などを紹介していくという。

 第1走者となるWindows Server 2012の出足は、日本マイクソロフトにとって重要なものであるのは確か。その中核となるHyper-Vは先進国で唯一、日本だけがVMwareを抜いている特別な市場である。その点でも日本での第1走者の走りは、マイクロソフト社内ではグローバルで注目されているものといえよう。

 第2走者は、もっとも話題性のあるWindows 8。そして、第3走者は収益の柱となるOfficeである。どれだけ盛り上げてバトンを渡していけるのか。日本市場は第1走者から他の国に比べて優位であるだけに、期待値はむしろ大きい。

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