NTTデータは9月13日、ハイブリッドクラウドに対応するというデータベース(DB)サーバ「PRORIZE DBサーバー GresCube」を発表した。2012年内に提供する予定。
同社が提供している企業向けクラウドサービス「BizXaaS」の地図情報サービス「BizXaaS MaP」で実際に活用されている。ユーザー企業のプライベートクラウドやオンプレミスとパブリッククラウド「Amazon Web Services」のハイブリッドクラウド形態での利用にも対応する。
GresCubeは、同社のシステム構築ノウハウを生かして、あらかじめ設定、検証して共通利用できるようにしたオープン系システム向け基盤構築ソリューションの「PRORIZE」をパッケージ化したもの。PRORIZEはシステム構築テンプレートや設計ドキュメントテンプレートなどで構成。テンプレートを活用することで、システム開発技術者は、最適なシステム基盤を従来よりも工数を削減して構築できるとメリットを説明している。
GresCubeは、オープンソースソフトウェア(OSS)のDB「PostgreSQL」にPRORIZEを活用して、災害復旧(DR)対策環境に対応したシステム構成、開発テンプレートを装備した可用性の高いDBサーバを構築できるという。同社が提供する導入ヒアリングシートに記入されたシステム固有情報を元にDBサーバの基本設定を実施する。
設定は同社が過去に蓄積したノウハウから導き出したパラメータを適用する。ユーザー企業は、インストール後の設定作業が簡単になるように事前構成したインストールメディアをサーバにインストールして、初期設定するだけで利用できるという。インストールメディアは最短3日で納品できると説明している。
GresCubeでは、PostgreSQLのレプリケーション機能とクラスタリングソフトウェアを組み合わせて、サーバを切り替えるという仕組みで可用性を高める。従来使われている、複数のサーバ間でデータを共有する外部のディスクを使わない。
今回の仕組みは、共有ディスクを活用してクラスタリングする構成と比較して、故障発生時の業務停止時間を短縮でき、ハードウェアの購入や保守の費用も節約できるという。DR対策としてレプリケーション機能を利用することで、遠隔地やパブリッククラウド上に構築したDBサーバにデータをバックアップして、事業継続性を高められるとメリットを説明している。
現在一般的にOSSの活用では、ユーザー企業が自己責任で利用しているが、今回のGresCubeでは、NTTデータの専門組織がサポートする。サーバの操作はGUIで展開。サーバのリソース状況やログ取得も手軽に行えるツールを利用できる。
価格は、業界で標準的に利用されている同等水準のDB製品を利用したシステムと比較した場合、5年間の総所有コスト(TCO)を最大50%削減できることを想定している。