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松岡功の「今週の明言」

今週の明言--企業ITの新潮流がもたらすメガベンダーへの重圧 - (page 2)

松岡功

2012-10-12 12:00

 同氏はさらに、「こうしたITの新潮流は、Google、Apple、Amazon、Facebookといった破壊的ベンダーが先導する一方で、これまでエンタープライズ分野をリードしてきたIBM、HP、Oracle、SAP、Microsoftといったグローバルメガベンダーにとっては大きなプレッシャーになるだろう」と語り、「グローバルメガベンダーの中には、新潮流への対応の遅れが目につくところもある」とも。

 その後、対応が遅れているベンダーの問題点もスッパリ。歯に衣着せぬ発言に、何度かニヤリとさせられた説明会だった。

「医療現場におけるニチイ学館のヒューマンパワーと、マイクロソフトのITパワーを組み合わせることで、医療分野に革新を起こしたい」
(日本マイクロソフト 樋口泰行 代表執行役社長)

 日本マイクロソフトと医療事務最大手のニチイ学館が10月1日、医療機関向け事業における業務提携を結び、ニチイ学館の幅広いネットワークを通じた人的サービスと、マイクロソフトのITを活用した新しい医療環境支援サービスを共同で開発し、順次提供していくことを発表した。樋口氏の発言は、その発表会見で、ニチイ学館との提携事業に向けた意気込みを示したものである。

日本マイクロソフト 樋口泰行 代表執行役社長
日本マイクロソフト 樋口泰行 代表執行役社長

 両社の業務提携の骨子は、医療機関の経営健全化をサポートするため、経営データの見える化と分析を適切に行えるように支援する「経営支援サービス」、医師や看護師の業務負担を軽減し、コミュニケーションを活性化して供給体制を整備する「医療支援サービス」、医療機関と介護施設、利用者宅間の情報連携などを行う「地域連携サービス」を展開していこうというものだ。

 ニチイ学館が推進するこうしたサービスに向け、マイクロソフトは、Office 365やWindows Azureなどを適用したクラウドベースの医療機関特化型グループウェア、SharePointなどを適用したデータ分析ツールによる院内データの見える化、Kinectを適用した非接触型デバイスを活用した診療支援、LyncやSharePointなどを適用した高度な地域連携といったソリューションの実現を支援するという。

 発表会見の詳細な内容は、すでに報道されているので関連記事をご覧いただくとして、筆者が注目したのは、冒頭の発言で紹介した樋口氏とともに、提携事業に強い意気込みを示したニチイ学館の姿勢である。

 同社はこの発表会見で、先に紹介した経営支援サービス、診療支援サービス、地域連携サービスを展開することによって、これまでの医療事務領域を中心とした事業展開を医療環境支援領域へと拡大していくことを表明した。

 そうした意味からもマイクロソフトに対しては、「技術力や幅広い製品群、販売実績、豊富な海外医療の事例といった大きな資産を持っている」(ニチイ学館の齊藤正俊社長)と高く評価し、ビジネスパートナーとして強い期待を抱いているようだ。

 マイクロソフトから見れば、ニチイ学館は有力なユーザーでもある。そのユーザーが提携事業ととともに、最新のITを活用して自らの事業戦略について新しいビジョンを示した格好だ。ITベンダーが有力なユーザーへの導入事例を公表するのはよくあることだが、ユーザーが導入したITを活用して新しい事業ビジョンを提携会見の場で声高らかに表明するのは珍しい。新境地を切り開くマイクロソフトの動きとともに、ITが果たすべき役割を実感させられた印象深い発表会だった。

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