
HP Integrityサーバの最上位モデル「Superdome 2」
日本ヒューレット・パッカードは11月28日、「HP Integrityサーバー」の新製品として、Itaniumプロセッサー9500(開発コードネーム:Poulson)を搭載したUXサーバのラインアップを一新。あわせて「HP-UXテクノロジー・コンソーシアム」を設立することを発表した。
新たなサーバ製品は、HP Cell Blade 900s i4を搭載した最上位モデル「HP Integrity Superdome 2」(見積参考価格 2925万3000円、以下同)、ブレード型サーバ「HP Integrity BL890c i4」(1586万3400円)、「同BL870c i4」(727万0200円)、「同BL860c i4」(186万5850円)、ラックマウント型サーバの「HP Integrity rx2800 i4」(173万1450円)の5機種。
日本HP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 ビジネスクリティカルシステム製品本部 本部長の栄谷政己氏は、「コア数を倍増させて性能を3倍に高めたほか、省電力性と信頼性の向上を図った。また、HP Integrity VMとvParsを組み合わせた新たなミッションクリティカル向け新仮想化機構としてvPars v6.1.5を提供する。これによってハードウェアの差異を吸収し、作成したOSイメージをそのまま別機種に移行できるようになる。Itanium9300番台とItanium9500番台の製品ファミリー間の移動も可能になり、今後新たなCPUを搭載したサーバとの混在環境も実現できる。これを活用することで新たなサーバを採用しやすくなり、ソフトウェアライセンスのコストを下げることができ、初期投資や運用コストの削減につながる」などとした。
栄谷氏はUNIX OS「HP-UX 11i v3」にも触れ、「HP-UXはサポート期間を10年としていたが、今後は新たなプロセッサが登場するたびにサポート期間を更新する。2007年に発売したHP-UX 11i v3は2017年までのサポート期間であったが、今回、新たなプロセッサを搭載した製品の登場によって2022年まで延長する。これはHP-UXのサポート終了期限が決まっていないのと同じことだ。さらに年2回の機能強化も図っていく。互換性を持った継続的な機能強化を進めていく」などと語った。
日本HP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 ビジネスクリティカルシステム事業本部 本部長の手島主税氏は、日本HPが国内のUNIXサーバ市場で11年連続トップシェアを獲得し、2012年第2四半期には34.7%のシェアを占めていることを示しながら、「Superdome 2を発売した2010年と比較して、2012年は3倍の販売台数に達している。過去10年間に渡って販売してきた第1世代の販売台数を遙かに上回っている」と好調ぶりを示した。
さらに「オープン系サーバに対する成熟度が一巡したなかで、ユーザーに多くの負担を強いるスクラップ&ビルド型システムから、投資資産を最大限に活用しつつ新技術をタイムリーに利用できる持続的成長型のシステムが求められている。HPは『プロジェクトオデッセイ』としてこれに対応。持続的成長プラットフォームへの開発投資を重要な柱に位置づけるとともに、『Working Together』というコンセプトでユーザーとパートナーの声を製品開発に反映していく」などとした。
あわせて、インド・バンガロールの開発拠点に約1000人の開発者を集中させていることも紹介し、継続的な開発体制を維持していることを強調してみせた。
日本独自のコンソーシアム設置
HP-UXテクノロジー・コンソーシアムは米国本社を巻き込んだ日本独自の取り組みだ。HP-UXをOEM供給する国内ベンダー各社と連携し、品質、機能の改善活動、最新情報の共有や技術交流、共同評価、検証などを実施していくという。
また、同コンソーシアムの活動を通じて、ミッションクリティカルシステムに関するコミュニティを設置する考え。パートナー企業、ユーザー企業、HPのエンジニアが参加して、情報交換を行い、顧客の声を製品開発に反映させる体制を確立する意向だ。
「コミュニティについては、仮称として、スーパーテクノロジークラブという名前を考えている」(栄谷氏)という。
HP-UXテクノロジー・コンソーシアムには、日本HPのほか、日立製作所、三菱電機インフォメーションテクノロジー、NEC、沖電気工業の4社が参加する。
日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 開発統轄本部 ソフトウェア本部 担当本部長の奥原進氏は、「ユーザーから求められているのは継続性と信頼性。コンソーシアムを通じてこれを実現したい。社会インフラを支える日立だからこそ、安心して長く使えることが重要である」とコメント。
三菱電機インフォメーションテクノロジー ネットワークプラットフォーム事業本部 技術統轄部 部長の多村勲氏は、「新技術の採用と継続性を維持することに取り組んでいく。社会インフラ系を中心に顧客の要求は厳しくなってくる。HP-UXを構成要素として組み込み、いい事例を作っていきたい」とする。
また、NEC ITソフトウェア事業本部 第一ソフトウェア事業部 事業部長代理の室谷祐二氏は、「HP-UXの品質と機能の強化が加速され、安心して使えるものを継続的に提供できることを期待している。資産を最大限に継承し、最新テクノロジを提供できるのがHP-UXだと考えている。緊密な関係を築きながら、HP-UXを提供していく」と語った。
沖電気工業 ソリューション&サービス事業本部 情報システム部 事業部長の平沼雄一郎氏は、「当社は金融機関、官公庁、製造業、運輸などに導入実績がある。新たなサーバは性能と信頼性が向上しながらも、戦略的な価格設定となっており、これを広く提供できると考えている。コンソーシアムには信頼性、性能、品質に対するさらなる進化を期待し、参加する3社とともに進化を支えていきたい。より満足してもらえるサーバをユーザーに提供できる」と語った。
Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookページ、Twitter、RSS、Newsletter(メールマガジン)でも情報を配信しています。