松岡功の「今週の明言」

日本HP首脳が語るWindows 8のインパクト

松岡功

2012-10-26 12:00

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今週は、日本HPの岡隆史 取締役副社長執行役員と、シマンテックの河村浩明 代表取締役社長の発言を紹介する。


「Windows 8搭載タブレットは新しい市場を切り開く。ノートPCに取って代わるとは考えていない」
(日本HP 岡隆史 取締役副社長執行役員)

日本HP 岡隆史 取締役副社長執行役員
日本HP 岡隆史 取締役副社長執行役員

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が10月18日、ビジネス向けのWindows 8搭載タブレットとウルトラブックの新製品を発表した。同社のプリンティング・パーソナルシステムズ事業を統括する岡氏の発言は、その発表会見で、Windows 8搭載タブレットの登場による企業システムのクライアント市場への影響について語ったものである。

 岡氏は会見でビジネス向けのWindows 8搭載タブレットについて「セキュリティの強化や運用管理の効率化など企業が求めるニーズを満たしつつ、エンドユーザーが思わず使いたくなるようなデザイン性や使い勝手を高めた製品だ」と強調し、Windows 8の登場に合わせてビジネス向けタブレットを投入したことを明らかにした。

 また、ビジネス向けタブレットを投入した背景について、「ITのコンシューマライゼーションやモバイル化が急速に進む中、企業で使われるデバイスやシステムもそうしたニーズに対応したものを提供していかなくてはならない。このことは、ITベンダーとして今後、生き残れるかどうかということに直結すると認識している」と説明。ITベンダーとしての覚悟のほどを示してみせた。

 会見には日本マイクロソフトの樋口泰行代表執行役社長もゲストとして登場し、ビジネス向けのWindows 8搭載タブレットの意義についてこう語った。

 「Windows 8はタブレットOSとしての機能を備え、従来のWindows資産も活用できる。さらにキーボードとマウスをつなげば、生産性の高い業務作業も行える。まさにタブレットとPCの1台2役で幅広いニーズをカバーするベストなソリューションだ」

 会見で説明されたビジネス向けのWindows 8搭載タブレットをはじめとした新製品の詳細な内容については、すでに報道されているので関連記事等をご覧いただくとして、冒頭で紹介した岡氏の発言について説明しておこう。

 岡氏の発言は、会見の質疑応答で、「幅広いニーズをカバーするWindows 8搭載タブレットは、企業システムのクライアントという観点からすると、ノートPCに取って代わるのではないか」との筆者の質問に答えたものだ。同氏の発言をもう少し詳しく紹介すると、次のような内容だった。

 「デスクトップに匹敵する性能を追求しているノートPCと、利用シーンの広がりに応えるタブレットでは、用途が異なるので、ユーザーにとっては選択肢が広がる格好となる。私どもでは、オフィスでの利用はこれまでと同様にノートPCが中心となり、タブレットはモバイルユースをはじめとして、新しい市場を切り開いていくものととらえている。とはいえ、同じWindows 8搭載で利用形態が重なるところも出てくるので、ノートPCにもさらに魅力を付加していく必要があると考えている」

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