国内外で生産アウトソーシング事業を展開するアウトソーシング社は経営情報や人事情報を一元管理するための全社共通基盤にUNIXサーバ「SPARC SuperCluster T4-4」の採用を決めた。日本オラクルが7月11日に発表した。日本企業の採用は今回が初めてになる。
アウトソーシング社は製造業分野での生産工程の請負、人材派遣を中心に事業を展開、2011年12月期の売上高は過去最高となる323億円を達成している。グループの子会社は国内で13社、アジアを中心に海外で13社を抱え、従業員数は1万人以上となっている。M&Aで多くの企業が加わったことで、多様な業務手法や異なる経営情報と人事情報を統一した基準で把握することが困難になり、全体の業務やさまざまな指標を統一して、情報の一元管理と分析が急務となっていた。
今後の事業拡大に備え、ITをシンプルにして統合すること、災害や障害があっても事業継続性を確保できるシステムの刷新を目的にSPARC SuperCluster T4-4を全社の共通基盤に採用することを決めている。グループの経営情報を一元的に管理、分析できるビジネスインテリジェンス(BI)アプリケーション「Oracle Business Intelligence 11g」を稼働させる。今秋から順次稼働させる予定としている。
オラクル製品を採用した理由としては、ハードウェアからOS、データベース、アプリケーションまでを一貫して提供されることで、事前検証済みの構成、統合サポート体制、万全な保守で構築工数を削減、運用負荷を軽減できることを挙げている。将来、リソースを再配置することで、柔軟に性能やストレージ容量を拡張でき、コア単位でソフトウェアライセンスを購入できることから、初期投資を抑えながらビジネスの成長にあわせて、段階的に投資できることも評価している。
構築を含む運用と保守は、アウトソーシング社のIT子会社のアスカ・クリエイションが主導する。NTTビズリンクのデータセンターにSPARC SuperCluster T4-4を設置する。NTT東日本が提供する広域イーサネットサービスを利用する。海外のグループ企業は、インターナップ・ジャパンのネットワークサービス経由で使うことになっている。
SPARC SuperCluster T4-4は、最新のRISCプロセッサ「SPARC T4」を最大4個搭載できるサーバの上位機種「SPARC T4-4」を搭載。OSとして「Oracle Solaris」、ストレージとして「Exadata Storage Cell」、ミドルウェアの処理を高速化させる「Oracle Exalogic Elastic Cloud Software」、データの圧縮・重複排除機能を搭載する統合ストレージ基盤「Sun ZFS Storage 7320」を事前に統合して、構成を最適化することで導入期間を短縮できるという。仮想化技術として「Oracle VM for SPARC」や「Oracle Solaris Zones」でアプリケーションを仮想化して、システムを統合できる。