TISは1月21日、業務システムの更改などでオープンソースソフトウェア(OSS)への移行を促す「OSSマイグレーションサービス」の提供を開始した。データベースソフトウェア「PostgreSQL」を中心にしている。
OSSマイグレーションサービスは、アセスメントからコンサルティング、新プラットフォームの構築、システム移行、その後の保守サポートまでをワンストップで提供する。ミッションクリティカルなシステムへのOSS適用を目指して、活用に関するノウハウをソフトウェアスタック(推奨構成群)「ISHIGAKI Template」として体系化し、独自に実証検証に基づいて蓄積してきている。
TISではOSSについて「ひとつひとつは、ゴツゴツとした石のようなもの」と説明。この“石”をうまく組み合わせれば、システムの運用を支える強固なアプリケーション基盤(石垣)になり得ると表現している。ISHIGAKIはDBのPostgreSQLを中心に、Javaのアプリケーションサーバとして「JBoss Application Server」、ウェブサーバは「Apache HTTP Server」、OSは「CentOS」、クラスタリングは「Pacemaker」「Heartbeat」「DRBD」、運用支援は「Hinemos」「Zabbix」で構成される。
価格は、DBのアセスメントサービスが150万円から(税別)。そのほかのサービスは要件に応じて個別見積もりとなっている。移行後のサポートは、野村総合研究所のOSSサポート「OpenStandia」を活用した保守体制で、移行後も安心してOSSを利用できるサポート体制となっているとメリットを強調している。
ハードウェアの保守切れなどを契機に新システムを構築するマイグレーションでは、構築費用や保守サポート費用といったコストを削減するために、OSSの活用が選択肢となっている。OSSの活用は、特定のベンダーへの依存度が高まることによる“保守運用の柔軟性の低下”や“技術習得のための人材育成費の高騰”などの事態に対する解決策としても注目を集めている。
だが、OSSの活用では、性能や可用性についての体系化されたドキュメントなどが少なく、サポートなどに不安があることから、実行するのが難しいという課題があった。今回のOSSマイグレーションサービスは、そうした課題に対応するものになる。