その意味でも、川島氏の冒頭の発言にあった「従業員の意識」が今後、構造改革から売り上げ拡大へと力強く向かうかどうか、同社にとっては大きな正念場を迎えているといえそうだ。
「NUIの進化によって、人とコンピュータの関わり方はどんどん進化していく」 (日本マイクロソフト 加治佐俊一 最高技術責任者)
日本マイクロソフトが1月28日、身振り手振りや音声などで直感的にコンピュータを操作する「NUI(ナチュラルユーザーインタフェース)」の最新事例などについて記者説明会を開いた。加治佐氏の冒頭の発言は、その説明会で、NUIのインパクトについて語ったものである。
日本マイクロソフトの加治佐俊一 最高技術責任者
マイクロソフトがNUIとして提供するKinectは当初、家庭用ゲーム機「Xbox 360」用の周辺機器として商品化されたが、後にWindowsにも対応。日本でも2012年2月に「Kinect for Windows」が発売され、Kinectを組み込んだ製品の自由な開発が可能になった。
加治佐氏はまずUIの変遷に触れ、MS-DOSに代表される文字ベースのCUI(キャラクタユーザーインタフェース)で始まったマイクロソフトの歴史が、マウスやアイコンを用いたGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)を経て、今まさにNUIの時代へ突入しつつあると説明した。
加治佐氏によると、Kinect for Windowsは発売から1年が経過して、実際の活用例も着実に広がりつつあるという。そんな中から、同氏は、ニチイ学館が提供する非接触型画像操作システム「Opect」や、東京大学先端科学技術研究センターと日本マイクロソフトが共同開発した障碍者活動支援ソリューション「OAK」など、幾つかのデモンストレーションを披露した。
Kinectの活用に向けては、日本マイクロソフトへの問い合わせ件数を数えただけでも約150件の関連プロジェクトが進んでいるとしているとか。さらに加治佐氏が大きな期待を寄せているのが、組み込み型製品の分野だ。同氏によると「コンピュータの組み込み技術は、世界中でも日本が最も得意をする分野だ。同様の形でKinect を組み込んだソリューションが今後どんどん広がっていく可能性がある」と手応えを感じているようだ。
そう考えると、NUIの活用は日本が世界をリードできる大きなチャンスともいえそうだ。想像を超えた活用法が、日本からどんどん発信されることを大いに期待したい。
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