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2012年国内HPC市場、30%減の400億円--2011年の「京」の反動から

田中好伸 (編集部)

2013-03-07 10:41

 2012年の国内のハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)市場は、2011年の565億円から29.1%減の400億円――。IDC Japanが3月6日に発表した予測によれば、2011年に「京」という大型案件があり、2012年通年には、その反動が大きく出ると指摘している。

 同社はHPCシステムを価格帯から、5000万円以上の「スーパーコンピュータ」、2500万~5000万円未満の「ディビジョナル」、1000万~2500万円未満を「デパートメンタル」、1000万円未満の「ワークグループ」と分類している。

 2011年は、富士通が理化学研究所向けに出荷した「京」などの大型案件があり、テクニカルスーパーコンピュータのクラスは、前年比362%増となっている。2012年はこの反動が大きく出ると予測している。

 一方で、2011年のシステム価格が5000万円以下のクラスはすべて2桁のマイナス成長となっている。東日本大震災の影響で、企業のIT投資が事業継続計画(BCP)対策に向けられた影響があったためとみられる。2012年の同クラスは、テクニカルスーパーコンピュータとは逆にやや回復の兆しを見せているという。

 今回の調査では、HPCストレージ市場の出荷額とストレージ容量も調査している。2012年のHPCストレージ市場規模は88億円、総ストレージ容量は155Pバイトになると予測している。

 HPCストレージ市場では、従来の集中型ストレージ環境から分散ファイルシステムを活用したストレージ環境に大幅にシフトしているという。HPCで問題となるI/Oのボトルネックを比較的低価格に性能を向上できるからとしている。同市場は今後、分散ファイルシステムを用いたストレージが主流になるとしている。

 国内HPCサーバ市場の2011~2016年の年平均成長率(CAGR)は16.1%減、HPCストレージ市場のCAGRは3.3%減と予測している。CAGRの起点である2011年は「京」の大型案件があったことから、CAGRは大幅なマイナスになる。

 今後HPCサーバの主流となると見ているx86サーバ市場に限れば、同期間のCAGRは4.7%で推移するとみている。今後は、価格対性能比に優れたx86サーバを用いたクラスタシステムが市場をけん引すると予測。HPCストレージの容量は今後、増加の一途を続け、2011年の134Pバイトから2016年には531Pバイトになると予測している。IDC Japanの林一彦氏(サーバーリサーチマネージャー)は以下のようにコメントしている。

 「2011年と2012年上半期の国内HPC市場は、HPC専用モデルによる大規模案件が市場を主導した。だが、HPC専用モデルの主要顧客は、大学や官公庁の研究機関にとどまり、一般企業の採用実績は少ない。HPC市場を広げるためには、HPC専用モデルで開発された技術を広く一般の企業に開放し、市場のすそ野を広げていく努力が大学や研究機関にも求められる」


2007~2012年上半期の国内HPC市場HPCサーバシステム別出荷額実績(出典:IDC Japan)

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