EMC、「Software-Defined」な新ストレージプラットフォームを発表

五味明子 2013年05月07日 12時46分

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 EMCは米国時間5月6日、米ラスベガスで開催中の年次カンファレンス「EMC World 2013」において新ストレージプラットフォームである「EMC ViPR(ヴァイパー)」を発表した。

 クラウドベンダーやエンタープライズデータセンター事業者のためのストレージ仮想化サービスで、オブジェクト、ファイル、ブロック、HDFSなどあらゆるデータ形態に対応できる点が特徴だ。

EMC エグゼクティブバイスプレジデント Jeremy Burton氏
EMC エグゼクティブバイスプレジデント Jeremy Burton氏

 EMC エグゼクティブバイスプレジデント Jeremy Burton氏は「2020年には全世界のデータ量は40ゼタバイトを超えることになり、そのほとんどは非構造化データで、かつクラウド上に格納される。従来のファイルストレージではこれらを格納するのは難しく、新しいワークロードに対応した新しいストレージが求められている。ViPRは何百ペタバイトものデータを扱うことができ、クラウド越しの自動管理を可能にする世界初の"Software-Defined Storage"プラットフォーム」と語り、「すべてのストレージを仮想化できる」と自信を見せる。

 ViPRはEMCが2年をかけて開発したという新プラットフォーム。開発チームを率いたのはアドバンスドソフトウェア部門のプレジデントであり、EMC入社以前はMicrosoftの技術者だったAmitabh Srivastava氏。同氏はViPRの特徴を「シンプル、エクステンシブル、オープン」という3つの単語で表現している。

従来のファイルストレージでは階層的にデータを格納できるが、データ量の増大についていくことが難しくなっている。そのままの構造でデータを格納できるオブジェクトストレージがクラウドのスタンダードに
従来のファイルストレージでは階層的にデータを格納できるが、データ量の増大についていくことが難しくなっている。そのままの構造でデータを格納できるオブジェクトストレージがクラウドのスタンダードを狙う

 「ユーザーのストレージ環境はヘテロジニアス(異機種混在)であり、世界にはさまざまな形式のデータがさまざまなアレイに格納されている。ViPRはこれらをシングルAPIで管理するので、シンプルなストレージ運用が可能になる。拡張性やパフォーマンスにもすぐれており、ペタバイト級までスケールし、オブジェクトストレージに付きものであるレイテンシ(遅延)悪化の心配もない。また、iSCSIやNFCといったトラディショナルなプロトコル、さらにはビルトインでRESTful APiやHDFSもサポートしているほか、OpenStackやAmazon S3などほかのクラウドインフラストラクチャとの連携も容易」(Srivastava氏)

開発チームを率いたアドバンスドソフトウェア部門のプレジデント、Amitabh Srivastava氏
開発チームを率いたアドバンスドソフトウェア部門のプレジデント、Amitabh Srivastava氏

例えるなら「複数のリモコンを1つのリモコンに」

 ViPRを説明するための例えとしてBurton氏は「テレビやDVD、ストリーミングデバイスなどの複数のリモコンを1つのリモコンにまとめ、どんなコンテンツも1つのリモコンから見られるようにする仕組み」だとしている。「たとえそれが別のメーカー製のリモコン同士であってもまとめられる。すべてを仮想化するとはそういうことだ」(Burton氏)

 ViPRは大きく、コントロールプレーンとデータプレーンに分離できる。さまざまなストレージで構成されたインフラストラクチャを、コントロールプレーンである「ViPR Controller」で仮想化し、プロビジョニング、オートメーション、セルフサービス、レポーティングなどのストレージ管理機能を一元的に提供する。そしてストレージ内に格納されているあらゆるタイプのデータは多様なプロトコルやAPIをサポートする、データプレーンの「ViPR Data Service」により、ユーザーはデータの形式を気にすることなく扱うことができる。

 これにより、例えばビッグデータ分析を行うために別のアレイにデータを移行したり、異なる形式に変換したりする必要がなくなる。「物理的な資産をコントロールするだけでなく、コンテンツタイプをインテリジェントに理解して、多様なデータアクセスに対応する」(Srivastava氏)

ViPR Controllerがヘテロジニアスなストレージインフラを仮想化し一元管理を可能にする
ViPR Controllerがヘテロジニアスなストレージインフラを仮想化し一元管理を可能にする

 また、ViPRはVMwareのSoftware-Defined Datacenterの一コンポーネントとして設計されており、VMware APIもビルトインサポートしている。従ってMicrosoft(Hyper-V)やOpenStack(KVM)といったサードパーティーのハイパーバイザとの連携も可能とのこと。データセンターをまたいだシームレスなデータ利用も容易で高速になるとしている。

 ViPRは現在、アーリーアダプタのユーザーがテスト中で、2013年第2四半期の提供が予定されている。当面は「EMC Atmos」「EMC VNX」「EMC Isilon」といったEMC製のアレイおよびNetAppなどのいくつかのサードパーティーベンダー製品の対応に限られるが、徐々にサポート対象ハードウェアを拡張していくとしている。

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