4.ビジネスに対する目
大企業に大きく浸透している唯一の企業は、Red Hatだ。一方、中小企業については、よく分かっていない。CanonicalはUbuntu Linuxを中小企業に非常に適したものに作った。このディストリビューションは、何にでも利用できる。ウェブサイトの構築から、デスクトップでのグラフィック処理まで(そしてその間にある、あらゆる仕事)のあらゆるレベルで、Ubuntuは企業の心を捉えられるだけの洗練さを備えている。また、モバイルへの取り組みも行っていることから、Canonicalはほかのデスクトップ用ディストリビューションよりもはるかに大きな標的を狙うことができる。
5.美しさとシンプルさ
Ubuntu 13.04がリリースされた今、ユーザーは微妙な違いに気がついたはずだ。その違いが、進化を続ける「Ubuntu Unity」に、ほかのLinuxデスクトップを超える水準の機能や外見を与えている。確かに、以前はUnityに対する不満をよく耳にした。しかし、わずか数リリースを経て、Unityは驚くほど堅実で使いやすいデスクトップになった。この最新バージョンでは、その美しさとシンプルさの水準は、市場に出回っているほとんどのデスクトップをしのいでいる。そして、「Windows 8」とは違って、Ubuntu Unityは(ソーシャルネットワーキングとマルチタッチインターフェースだけでなく)ユーザーと作業を念頭に作られている。
6.パートナーシップ
DELL、Lenovo、ASUS、Hewlett-Packard(HP)、ARMなどの名前に、何か思うことがあるだろうか?Canonicalは、Linuxを一般ユーザーに届けることを可能にするための、OEM企業とのパートナーシップ作りに、大きな成果を上げている。CanonicalはすでにLenovoと協力して、100以上のデバイスにUbuntu対応の認証を与えている。筆者の予想では、Ubuntu phoneとUbuntu tabletが(「Unity Next」と「Mir」と一緒に)登場すれば、この数は劇的に増えるはずだ。これに、「System76」などとの小規模なパートナーシップを加えれば、Ubuntuはあらゆる市場とニッチ市場をカバーできる可能性がある。
7.グローバルな思考
中国は最近、Canonicalと共同で「UbuntuKylin」の開発に取り組んでいるという発表を行った。このバージョンのUbuntuは、ローカルなハードウェアやソフトウェアの開発会社にとっては、よりどころとなるはずだ。そのゴールは、同国のITセクターを西側の(オープンではない)ソフトウェアから引き離すことだ。これは、「Windows」や「OS X」以外のプラットフォームが望まれていることを意味する。これはWindowsからLinuxに移行する動きとして大きなものになるだろうが、CanonicalとUbuntuなしでは不可能だったかもしれない。