米国時間7月8日から米テキサス州ヒューストンのGeorge R. Brown Convention CenterとTOYOTA CenterでMicrosoft最大のパートナー企業向けイベント「Microsoft Worldwide Partner Conference(WPC) 2013」が開催された。同社が掲げる「デバイス&サービスカンパニー」への転換を明確に示すとともに、クラウドビジネスの推進など、パートナー企業が数々の施策を実行するフェーズに入ったことを強烈に示す内容となった。
2012年にカナダ・トロントで開催されたWPCでは「Windows 8」の発表をはじめ、数々の大型プロダクトに関する発表が相次いでいた。だが、今回のWPCでは「Power BI for Office 365」の発表、Windows 8に対応したSaaS「Dynamics」の今秋発売、「Windows 8.1」のRTM版を8月末までにOEMメーカーに供給を開始するなど、それぞれのニュースバリューには“小粒感”を感じざるを得なかったのも事実だ。
それは、参加するパートナー企業も開幕前からある程度わかっていたはずだ。それにもかかわらず、全世界約150カ国から過去最高となる1万5000人以上のパートナー企業が参加したのは「マイクロソフトとビジネスを行うことで、パートナー自身が成長できるという期待感を強く持っていることが背景にある」(日本マイクロソフト 執行役 ゼネラルビジネス ゼネラルマネージャー 高橋明宏氏)というのも事実だろう。
日本からは、前年の約280人から約350人へと2割以上も参加者が増加。イベント全体では約5%の増加であったのに比べて、約25%増と大幅な増員になっていることがわかる。日本からの参加企業数151社のうち、約3分の1が初めてWPCに参加する企業だという。
Steve Ballmer氏
製品やサービスが小粒感であったのに対して、新たなパートナー施策として発表された内容をみると、クラウドビジネスにおけるコンピテンシー制度の開始、パートナービジネスを機軸とする「CityNext」の発表、Windows搭載PCとタブレットを対象にした販売支援プログラム「TouchWins」の発表、「Office 365 Open」の対象領域の拡大など、実行フェーズを直接支援する内容ばかりだったといっていい。
Windows Phoneの好調さをアピール
開催初日の基調講演で米Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏は「イノベーションを実現するには、Microsoftがデバイス&サービスカンパニーにならなくてはならないということは、もう理解してもらえるだろう。パートナーの方々もぜひ、その流れに移行していただきたい」と、これまでは、対外的発言ではやや遠慮がちだったデバイス&サービスカンパニーへの移行を全面的に打ち出し、パートナーの理解を求めた。