[About Bloom Energy]
ソフトバンクが燃料電池の開発を手がける米Bloom Energyと日本で合弁会社をつくったというニュースが米国時間7月17日に一部の媒体で報じられていた。
・SoftBank, Bloom Energy joint venture will bring fuel cells to Japan - GigaOM
・SoftBank Forms a Fuel Cell Venture With a Silicon Valley Start-Up - NYTimes
7月18日(日本時間)朝にはソフトバンクからも声明が出されているが、金額の規模(資本金、資本準備金それぞれ10億円ずつの合わせて20億円)から推測すると、「まずは日本で販社をつくり、市場の反応をみましょう」といった感じなのかもしれない。
・ソフトバンクとBloom Energyが、日本でクリーン・安定的・分散型の電力供給を行う合弁会社を設立 - ソフトバンク
このBloom Energy、投資家にとっては「金食い虫」「ブラックホール」といった印象も強いが、一方でその製品――「Bloom Energy Server」もしくは「Bloom Box」――はデータセンターなどでの代替電源として少しずつ定着してきているようでもある。
Bloom Energy CO-Founder KR.Sridhar with 60 Minutes - CBS 60 minutes (2010年2月の「Bloom Energy Server」(“Bloom Box”)発表時に放映されていたCBS「60 Minutes」の映像)
クリーンエネルギー分野の話題に以前から力を入れているGigaOMの過去の記事などを見ると、すでにAT&TやVerizon Communications、それにNTTアメリカ(NTT America)の電話交換局やデータセンターなどでBloom Energy Serverを導入などとある。
・Bloom Energy launches data center focus for its fuel cells - GigaOM(2012年3月14日付)
・AT&T doubles down on Bloom Energy fuel cells - GigaOM(2012年10月2日付)
・Verizon to buy Bloom Energy fuel cells for data center, switching centers in CA - GigaOM(2013年6月3日付)
なお、Verizonに触れた記事の方には、同社がニューヨークのロングアイランドにある交換局に設置していたClearEdge Power(Bloom Energyの競合に当たる)の燃料電池が、2012年秋のハリケーン・サンディの時にも稼働し続けていた、といった記述もみられる。
またAppleのノース・カロライナ州にあるデータセンターや、eBayのユタ州のデータセンターでも、Bloom Energyの製品(動力源として、天然ガスのほか、ゴミを再利用したバイオマスも使える)が導入されているという。
・Apple’s fuel cells will be powered by landfills - GigaOM(2012年4月30日付)
・eBay to build huge Bloom Energy fuel cell farm at data center - GigaOM(2012年6月21日付)
なお、それぞれ発電能力については、Appleのほうが10メガワット(Bloom Boxを50台導入)、一方、eBayのほうは6メガワット(同30台導入)。またAppleについては、同データセンターに併設している太陽光発電装置からの電気と合わせて、地元の電力会社Duke Energyにこの再生エネルギーを販売する計画もある、などと書かれてもいる(Duke Energyから安い火力発電の電気を買って、再生エネルギーのクレジットが得られるクリーンエネルギーを販売する一種のさやどり)。
・Apple to double its already massive fuel cell farm in North Carolina - GigaOM(2012年12月4日付)