このほか、製品発表前から本社に試験導入していたGoogleやeBayなどの例も比較的よく知られているが、変わったところでは、NHL（北米プロホッケーリーグ）San Jose Sharksの本拠地、HP Pavillionでも、200キロワットの発電能力を持つBloom Boxを2機導入した（試合開催時に必要とされる電気の約4分の1を賄える）といった話も出ている。
・San Jose hockey arena activates Bloom energy servers - ZDNet（2012年11月5日付）
なお、これまでのBloom Energyの導入実績でもっとも大口の顧客はデラウェア州の電力会社Delmarva Power ＆ Lightで、導入したBloom Boxの発電能力は30メガワットだという。
・A rare peek behind Bloom Energy’s next-gen fuel cell tech [video] - GigaOM（2012年4月30日付）
[Behind the scenes with Bloom Energy's new fuel cell - GigaOM]
またBloom Energyでは、1基70万～80万ドルとされるBloom Boxの販売以外に、PPA（Power Purchase Agreement：長期契約を結んで決まった金額で電力を供給するというもの）に当たる「Bloom Electrons」というサービスも2011年から提供している。これだと顧客側では初期の導入コストが必要なくなる。
・Bloom Energy Launches Electricity Service, With No Upfront Fee - GigaOM（2011年1月20日付）
一方、同社が創業から10年余りの間に投資家から集めた資金については、累計で約11億ドルとされ、それでも黒字化へは「まだ道半ば」という状態らしい。
・A peek behind the curtain into Bloom Energy’s financials - GigaOM（2012年11月14日付）
・Report: Bloom Energy raises another $130M - GigaOM（2013年5月13日付）
・Bloom Energy says it’s half way to break even - GigaOM（2012年8月6日付）
エネルギー分野のベンチャーを成功させるのは、ウェブサービスやアプリメーカーとは比較にならないほど難しいといった記事をよく目にするが、Bloom Energyの例はそうした難しさを示す典型かも知れない。なお、同社を立ち上げ時から積極的に支援していたシリコンバレーの老舗VC、Kleiner Parkins（KPCB）もさすがに「これ以上の投資は厳しい」となったのか、最近の資金調達には参加していないようだ。
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