メインフレームには明るい未来がある
今回の会見では、メインフレームの重要性を改めて強調していたのが印象的だ。
Jetter氏は「既存のアーキテクチャで21世紀に生き残れると思うのは誤解である。データのために設計されたものであること、ソフトを中心とした“Software Defined Environment(SDE)”に対応していること、オープンであることが次世代のコンピューティングには必要である」と解説。以下のようにメインフレームの存在価値を強調した。
7月24日にマンダリン オリエンタル 東京で開催された「IBM Smarter Computing Forum 2013」に展示されたIBM zEnterprise BC12
「全世界の主要な金融機関の99%がSystem zを利用しており、主要な保険会社の99%がSystem zを活用している。メインフレームはモダンなものであり、最先端の技術が搭載されている。従来はコスト削減、生産性向上、自動化にフォーカスされていたが、今では、ユーザー企業とその顧客のエンゲージメントに注目が集まっている。ビッグデータ、ソーシャル、モバイル、クラウドの時代に対応した形で、メインフレームは進化している」
Jetter氏は「顧客との対話を通じて感じているのは、メインフレームに対する可用性、信頼性、セキュリティ、拡張性への要求が高まっている点である」とニーズの変化があることを強調した。
「確かに、メインフレーム市場は小さくなっているかもしれないが、メインフレームは、コスト効率の高いコンピューティングモデルであり、それを求めるユーザー企業が増えている。IBMのメインフレームビジネスは伸びており、メインフレームには明るい未来があると考えている」(Jetter氏)
IBMのメインフレーム事業は、2014年に50周年を迎える。
宇田氏は「IBMは50年間にわたり、メインフレームに投資を続けてきた。IBMは、zEC12発表以降、2500万円以上のハイエンドサーバ市場で40%のシェアを獲得し第1位となっており、MIPSでは27%の成長、ハイブリッドシステムでは71%の成長を遂げている」と実績を強調する。
そうした中で今回のzBC12は「一般のメインフレームがオンライン/バッチ処理の基盤であるのに対して、進化を続けたSystem zは、アナリティクスやモバイルを含めたビッグデータ時代における、あらゆるソリューションの共通基盤になる」とする。
zBC12の投入は、IBMがメインフレームの進化に対して継続的に投資していく姿勢を明確に示すものになったと言える。