米IBMと米Pivotalは米国時間7月24日、オープンソースソフトウェア(OSS)のPaaS フレームワーク「Cloud Foundry」の開発で協力し、同ソフトウェアの開発者応援プ ロジェクトを推進すると発表した。Cloud Foundryを推進し、クラウドインフラ、プ ログラミング、クラウドアプリケーションといった分野での自由度の高い開発や運用 ができる環境構築を目指す。
PivotalはEMCやVMware、GEなどが出資しており、VMwareで最高経営責任者(CEO) だったPaul Maritz氏がCEOを務めている。Pivotalが管理するCloud Foundryは、Java やRuby、PHPなどの言語に対応すると同時に、「Spring Framework」「Ruby on Rails」「Sinatra」「Node.js」といったフレームワークにも対応する。
加えて、MySQLやPostgreSQL、RabbitMQ、Redius、MongoDBなどのデータベースもサ ポートしている。ライセンスはApache License 2.0で公開している。企業内部のプラ イベートクラウドでのPaaSとしても利用できる。
米IBMによると現在、ユーザー企業であるクラウド関連企業の間で、PaaSでの開発 ニーズが高まっているという。だが、「Force.com」「Heroku」「Windows Azure」な どPaaSのプレイヤーは限定され、特定のベンダーにロックインされてしまうリスクが ある。こうしたリスクを回避するため、Cloud FoundryなどよりオープンなPaaSが求 められていると説明する。
Cloud FoundryはOSSであり、開発の拡張性が高いことから、システムを構築、実 装、管理しやすくなるという。例えば、小売店がEコマースのアプリケーションを作 成した場合、複数のIaaS上でプロモーションを実行できるようになると説明する。
IBMとPivotalは、そのほかのプログラミング言語やフレームワークをCloud Foundryに実装可能にするテクノロジでも協力する。すでにIBMは同社のアプリケー ションサーバ「WebSphere」の軽量版である「WebSphere Application Server Liberty Core」のプレビュー版を作成した。IBMは「開発者はWebSphereプラット フォームの堅牢性と新しいクラウドアーキテクチャの革新性の双方からメリットを得 ることができる」とアピールする。
IBMとPivotalは、9月8~9日にカリフォルニア州サンタクララでCloud Foundryのコ ミュニティカンファレンスを共同で開催する。