IDC Japanは8月6日、企業内の文書の印刷やスキャン、処理といった業務を外部に委託する“ドキュメントアウトソーシングサービス”市場の2012年の売上実績と2017年までの予測を発表した。2012年の売上実績は2320億7300万円、2012~2017年は年平均成長率(CAGR)が6.2%で推移し、2017年には3141億1200万円を予測している。
ドキュメントアウトソーシングサービスは、欧米を中心に市場が拡大しており、日本国内でも動向が注目されている。同サービスについてIDCでは、集中コピーセンターで管理する“インハウスプロダクションプリント”、イメージのスキャンとスキャンした文書の保管を外部に委託する“イメージング/ドキュメントアーカイブ”、外注印刷を最適化する“プリントソーシング/プロキュアメント”、文書に関係する業務プロセス全体を外部に委託する“BPOドキュメント”に分類している。
2012年の国内のドキュメントアウトソーシングサービス市場で最大の売り上げとなったのは、BPOドキュメントサービス。請求明細やダイレクトメールなどの印刷、発送を一括して外部に委託する出力業務関連のBPOドキュメントサービスは1702億2500万円となっている。
印刷だけでなく、返送された書類の入力やエンドユーザーからの問い合わせ対応など関連する業務全体を外部に委託するBPOドキュメントサービスは371億4100万円となった。そのほかの分野の売り上げは、インハウスプロダクションプリントサービスが119億5700万円、イメージング/ドキュメントアーカイブサービスが89億円、プリントソーシング/プロキュアメントサービスが38億5000万円となった。
国内のドキュメントアウトソーシングサービスの2012~2017年のCAGRは6.2%と予測。だが、予測される成長率はサービス分野別に違いがあるとしている。CAGRで見ると、関連業務全体のBPOドキュメントは9.4%、出力だけのBPOドキュメントは6.1%と予測している。プリントソーシング/プロキュアメントは3.3%、インハウスプロダクションプリントが1.8%、イメージング/ドキュメントアーカイブが1.8%と予測している。
IDC Japanの石田英次氏(イメージング、プリンティング&ドキュメントソリューショングループマネージャー)は「ユーザー企業での印刷業務の事業継続計画(BCP)対応ニーズ、関連業務全体の外部委託ニースを受け、印刷ベンダーが提供するBPOドキュメントサービスが大きく成長している。ドキュメントアウトソーシングサービス市場は、このBPOドキュメントサービスが市場全体をけん引する形で拡大が続く」と説明している。