キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は8月20日、セキュリティソフトウェアの法人向けライセンス製品「ESET Endpoint Protection」シリーズでクライアントマシンOS「Windows XP」でのサポートを2017年2月末まで継続することを発表した。同様の施策を打ち出したのはトレンドマイクロに続いて2社目になる。
2017年2月末までWindows XPをサポートするのは、ESET Endpoint Protectionシリーズのうちの「ESET Endpoint Security」「ESET Endpoint アンチウイルス」の2製品。ウイルスを検出する定義データベースをアップデートするとともに、電話とウェブからの問い合わせに対応する。Windows XPを開発するMicrosoftのサポートが終了するために、Windows XPに脆弱性が新たに発見された場合は、ESETでは対応できないこともあり得ると説明している。
MicrosoftのWindows XPへのサポートが2014年4月9日に終了する。これ以降、MicrosoftはWindows XPへの修正パッチを提供しない。このことについてMicrosoftの幹部は「Windows XPは恒久的に“セロデイ脆弱性”が存在することになる」という表現で警告している。
Windows XPのサポート終了まで残された期間はおよそ7カ月。それまでに、企業内部で稼働しているWindows XPマシンを後継の「Windows 7」「Windows 8」に移行させたり、「iOS」「Android」で稼働するタブレットも含めた体制にしたりなど、クライアントマシンの刷新計画を実行する必要がある。
だが、世界全体で6月時点でクライアントPCのOSの37%以上がWindows XPとなっていることを考えると、残された期間はあまりにも少ないとも指摘できる。こうしたことからトレンドマイクロは、2014年4月9日以降もWindows XPへのサポートを継続する。
今回のキヤノンITSの施策も、Windows XPから次のクライアントマシンに移行するまでの“猶予期間”をユーザー企業にもたらすものと言える。キヤノンITSでは、今回の施策について、2017年3月以降もサポートを延長する可能性があることも表明している。