IDC Japanは8月20日、2012年の国内システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場実績と2017年までの予測を発表した。2012年の市場規模は、前年比5.1%増の2913億1200万円であり、2012~2017年の年平均成長率(CAGR)は4.0%で推移し、2017年の市場規模は3551億円と予測した。
同市場が年5%以上成長したのは、2008年来5年ぶり。成長の原因を「システム更改や仮想化の導入に伴う運用管理プロセスの見直しや、大規模なデータセンターにおける運用自動化に対する需要」と説明する。

2012~2017年の国内システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場 売上額予測(IDC Japan 提供)
カテゴリ別では、構成比の4分の1以上というワークロードスケジューリング/オートメーションソフトウェア市場が前年比7.0%増と、市場を牽引した。同市場の大半を占めるジョブスケジューリングツールなどの売り上げが堅調だったためという。さらにプロビジョニングオートメーションやランブックオートメーションなどを含む運用自動化ソフトウェアなどがデータセンター事業者とサービスプロバイダーを中心に売 り上げを伸ばしたとした。
IT資産管理を含むシステム変更/構成管理ソフトウェア市場も前年比7.0%増だった。仮想化の導入に伴い、IT資産管理やシステム構成管理の見直しを図る企業が増え、ソフトウェア売り上げの増加につながったという。
システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場でのベンダー別売上額シェアでは、日立製作所が2011年から首位を保持、その後に富士通、NEC、IBMと続く。シェア10位以内で2012年に高い成長を達成したベンダーとして、20%以上成長したMicrosoftとVMware、10%以上成長したHewlett-Packardなどがあるとした。
IDCは、2017年の市場規模を3551億円と予測する。「仮想化の進展とともに多くの企業や事業者で運用の自動化が進むと見ており、ワークロードスケジューリング/オートメーションソフトウェア市場の同CAGRは6.2%と予測する」と説明した。
IDCは「2012年は仮想化されたシステムの運用管理の効率化を図るために、運用プロセスの見直し、運用の自動化やシステムの可視化を実施する企業が増えた1年だった」とコメントしている。