Citrix Systems Inc. プロダクトマーケティング担当バイスプレジデントScott Schwarzhoff氏
日本でも7月10日にリリースされた「Citrix XenMobile」。アプリケーション配信、MDMなどの機能を備えたソリューションで、その名の通りモバイル端末を含む多種多様なOS、多彩な形態の端末に対応している。このサービスを投入するに至った背景、そして市場の手応えはどのようなものか、来日した米国Citrix Systemsプロダクトマーケティング担当バイスプレジデント、Scott Schwarzhoff氏に聞いた。
多様化する端末への対応というニーズ
XenMobileが作られた背景について、Schwarzhoff氏は「Citrixの顧客は、これまでWindowsアプリケーションの配信を利用してきましたが、近年ではその顧客からさまざまなデバイスへの対応を要望されるようになった」と説明する。
企業が使うクライアントは、わずか数年前までPCしか存在しておらず、それも大半が(バージョンこそ上がっているものの)Windowsであった。しかし近年になってスマートフォンやタブレットなど新たなフォームファクタの端末が急速に普及し、そのOSもiOSやAndroidなど多様化している。そういった端末を多くのユーザーがプライベートで使いこなしている今、モバイルの利便性を既存のビジネスアプリケーションに対しても使いたいと考える企業は多い。XenMobileは、この多彩な端末・OSをXenDesktopなどと同じような感覚で管理したいというユーザーの要望に応えて作られたソリューションだ。
「つまりXenMobileは、自然な流れでXenDesktopの延長線上に作られた存在なのです。XenMobileは個々のサービスを組み合わせたものではなく、これまでモビリティの課題に対して複数のポイントを組み合わせて実現していたことを一つにまとめ上げたものなのです。アプリケーション、データ、デバイスの管理、すべてを含む課題を、単一のベンダーで解決できるコンプリートなサービスとして提供しています」(Schwarzhoff氏)
あらゆるクライアントを1つのサービスでカバーすることにより、IT部門にとっては管理が容易になり工数を減らせるほか、管理を徹底しやすくなりセキュリティの向上やコンプライアンスにも繋がってくる。エンドユーザーにとっても、「その作業はモバイルだから無理」といった状況が減ることになり、生産性の向上が期待できる。